デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

皮膚がん

ニボルマブ、切除不能な進行・再発上皮系皮膚悪性腫瘍の効能追加承認/小野・BMS

小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは2024年2月9日、小野薬品が、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 今…

悪性黒色腫への個別化mRNAワクチン+ペムブロリズマブの効果は?(KEYNOTE-942)/Lancet

完全切除後の高リスク悪性黒色腫に対する術後補助療法として、個別化mRNAがんワクチンmRNA-4157(V940)とペムブロリズマブの併用療法は、ペムブロリズマブ単剤療法と比較し、無再発生存期間(RFS)を延長し、安全性プロファイルは管理可能であった。米国・L…

ヤーボイに重大副作用を追記  厚生労働省、「脳炎」で

日本皮膚科学会はこのほど、同学会作成の「安全使用マニュアル リトレシチニブトシル酸塩」をホームページに掲載し、周知した。9月に「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」を効果・効能として、リトレシチニブトシル酸塩(販売…

進行末端黒色腫に免疫療法薬を含む1次治療が有望か

中国で、治療歴のない切除不能なIII期またはIV期の末端黒色腫の患者50例(男性64%、年齢中央値57歳)を対象に、抗プログラム細胞死1抗体camrelizumabとVEGFR-2阻害薬apatinibおよびテモゾロミドの併用療法の活性および安全性を単群単施設第II相非無作為化試…

オプジーボで進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍の適応追加を一変申請 小野薬品

小野薬品は6月15日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体・オプジーボ点滴静注について、根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍の適応追加を一変申請したと発表した。同剤は厚労省から今回の適応で希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査される。 今…

個別化がんワクチン+ペムブロリズマブ併用の結果に新たな期待/モデルナ・メルク

Moderna(米国)とMerck(米国とカナダ以外ではMSD)は、2023年6月5日付のプレスリリースで、切除された高リスク悪性黒色腫患者に対する個別化がんワクチンmRNA-4157/V940と抗PD-1治療薬ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の併用療法について、ペムブ…

がん光免疫療法、症例数が伸び悩む一方で光明も

臨床応用が始まる前から、「次世代のがん治療」として米国のバラク・オバマ大統領(当時)が一般教書演説で取り上げるなど、大きな期待を集めてきたがん光免疫療法(近赤外線免疫療法、アルミノックス治療とも)。2020年9月に世界に先駆けて日本で薬事承認を…

皮膚癌、ポストICIの治療薬も続々

薬物療法の大きな進歩、ICIとBRAF/MEK阻害薬:主要試験を辿る CheckMate 067試験 8) 治療歴のない進行期メラノーマ945例を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法とニボルマブをそれぞれイピリムマブと比較する第III相ランダム化比較試験(RCT)が行われ…

進行悪性黒色腫、TIL療法でPFSが延長/NEJM

進行悪性黒色腫の治療において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた養子免疫細胞療法は、抗細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)抗体であるイピリムマブと比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長させ、病勢進行と死亡のリスクが半減したとの研究結果が、…

一部の黒色腫に術前ペムブロリズマブが有効 Cancer Currents――米国立がん研究所(NCI)ブログ

悪性黒色腫の治療は、おそらく他のどのがんよりも、この10年間で大きく変貌を遂げた。そして、米国国立がん研究所(NCI)が資金提供した臨床試験の初期の結果に基づき、悪性度が高いことの多い、このタイプの皮膚がんに対する新たな治療法の強化が目前に迫っ…

免疫療法薬の術前投与、2種類の皮膚がんで効果を示す 欧州臨床腫瘍学会の年次集会で発表された2件の臨床試験の結果

皮膚がんの患者に対し、外科的にがんを切除する前に免疫療法薬を投与する治療アプローチの有効性を示した2件の臨床試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会の年次集会(ESMO 2022、9月9~13日、フランス・パリ)で発表された。試験に参加した一部の患者では、免疫療…

皮膚扁平上皮がんの術前cemiplimab、病理学的完全奏効は5割以上/NEJM

切除可能な皮膚扁平上皮がん患者の術前補助療法において、抗プログラム細胞死1(PD-1)モノクローナル抗体cemiplimabは、約半数の患者で病理学的完全奏効を達成し、安全性の新たなシグナルは特定されなかったことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセ…

基底細胞がん診断でOCTがパンチ生検に非劣性

顔面のHゾーン(高リスクゾーン)以外の基底細胞がんの疑いで生検の適応がある患者598例を対象に、光干渉断層計(OCT)の使用で生検を回避できるかを無作為化非劣性試験で検討。被験者を無作為化によりOCT群とパンチ生検群に割り付けた。 その結果、治療12カ…

重症日光角化症、2割が浸潤性cSCC発症

頭部の25-100cm2の領域に5個以上の病変がある多発性日光角化症(AK)患者624例を対象に治療4種(フルオロウラシル5%、イミキモドクリーム5%、アミノレブリン酸メチルを用いた光線力学療法、ingenol mebutateゲル0.015%)の効果を比較した無作為化試験の2…

外陰部高度扁平上皮内病変でイミキモド外用は手術との比較で非劣性/Lancet

外陰部の高度扁平上皮内病変(vHSIL)の治療において、外用免疫調節薬イミキモドによる局所療法は、有効性に関して外科手術に対し非劣性で、安全性も良好であり、本症の1次治療となる可能性があることが、オーストリア・グラーツ医科大学のGerda Trutnovsky…

FDA、悪性黒色腫に初の抗LAG-3抗体relatlimabとニボルマブの併用を承認/BMS

ブリストルマイヤーズスクイブは、2022年3月18日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除不能または転移のある悪性黒色腫に対する、ニボルマブと抗LAG抗体relatlimab-rmbwの固定用量の合剤(海外製品名:Opdualag)の単回投与を承認したと発表。 この承認はOpdual…

メルケル細胞がん、4割が5年以内に再発

メルケル細胞がん(MCC)患者618例を対象に、病期および診断後の経過時間による再発および死亡のリスクを前向きコホート試験で推定した。 その結果、5年再発率は40%だった。1年目の再発リスクが高く(病理学的病期I期11%、IIA/IIB期33%、IIIA期30%、IIIB…

進行黒色腫、ニボルマブ+イピリムマブの長期OS良好

未治療の切除不能なIII期またはIV期悪性黒色腫患者945例を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法またはニボルマブ単剤療法とイピリムマブ単剤療法の有効性および安全性を比較した第III相試験(CheckMate 067試験)の長期転帰を報告。最短追跡期間は6.5年…

cSCCの転移発生率約2%、転移後5年生存率約80%

オランダで2007-08年に組織病理的に確認された初発皮膚扁平上皮がん(cSCC)患者1万1137例を対象に、転移性cSCCの累積発生率と疾患特異的生存率を全国がん登録研究で検討。転移の危険因子も調査した。 その結果、1.9%に転移が発生し、転移までの期間は中央…

基底細胞がんの局所治療薬、臨床試験で有望な結果 奏効率は表在型BCCで100%、浸潤型BCCでも66.7%

皮膚がんの中で最も高頻度に生じる基底細胞がん(BCC)の治療薬として、開発中のゲル製剤であるレメチノスタット(remetinostat)の有望性を示した臨床試験の結果が報告された。将来、レメチノスタットによる治療が、現在の主な治療法である手術の代わりとな…

抗PD-1抗体による甲状腺副作用の発症メカニズムをマウスで明らかに 名大、研究成果は、「Science Translational Medicine」に掲載

免疫チェックポイント阻害薬治療によるirAEsの発症機序は不明だった 名古屋大学は5月13日、免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体による甲状腺副作用の発症メカニズムをマウスで明らかにしたと発表した。この研究は、同大医学部附属病院糖尿病・内分泌…

サイアザイド系利尿薬で皮膚がんリスク上昇

降圧薬(サイアザイド系利尿薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬)を初めて処方された66歳以上の成人30万2634例と年齢・性別でマッチさせた降圧薬処方のない成人60万5268例を対象に、降圧薬の使…

ペムブロリズマブ、TMB-High固形がんに国内承認申請/MSD

MSDは、2021年3月11日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ (商品名:キイトルーダ)について、がん化学療法後に増悪した進行・再発の腫瘍遺伝子変異量高スコア(TMB-High)を有する固形がんに対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。がん種横断的に共通…

日光角化症にtirbanibulin軟膏が短期的効果示す

顔面または頭皮の日光角化症の成人を対象に、チューブリン重合とSrcキナーゼシグナル伝達を阻害するtirbanibulinの効果を同一デザインの二重盲検試験2件で検討。患者をtirbanibulin群と基剤(プラセボ)群に割り付けた。軟膏は、4-8個の病変があるひと続きの…

米FDAが局所進行・転移性基底細胞がんにcemiplimab-rwlc承認 基底細胞がんに初の免疫チェックポイント阻害薬

米国食品医薬品局(FDA)は2月9日、局所進行および転移性の基底細胞がん(BBC)に対して、抗PD-1抗体cemiplimab-rwlc(商品名Libtayo、Regeneron Pharmaceuticals社)を承認した。ヘッジホッグシグナル阻害薬(HHI)による治療歴があるか同薬の適応がない局…