デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

乾癬の病態に重要な分子を発見、温度感受性受容体チャネルTRPV4 群大ほか、研究成果は、「Journal of Investigative Dermatology」オンライン掲載に掲載

TRPV4が及ぼす乾癬への影響/機能阻害による治療薬開発の可能性を検討 群馬大学は6月8日、皮膚の表皮細胞や神経で発現するTRPV4が乾癬の皮疹の病態、重症度に重要な役割を果たしていることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科皮膚…

日本人の掌蹠膿疱症にアプレミラストが有効 第Ⅱ相プラセボ対照ランダム化比較試験

日本大学皮膚科研究所教授の照井正氏らは、局所療法で効果不十分な日本人の掌蹠膿疱症(PPP)患者90例を対象に、乾癬の治療に用いられるホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬アプレミラストの有効性および安全性を第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試…

女性の尋常性ざ瘡、経口スピロノラクトンで転帰改善

女性の尋常性ざ瘡患者342例(平均年齢29.2歳、軽度46%、中等度40%、重度13%)を対象に、経口スピロノラクトンの有効性を第III相無作為化比較試験で検討(SAFA試験)。主要評価項目は、12週時のAcne-Specific Quality of Life(Acne-QoL)症状サブスケール…

アトピー性皮膚炎患者は静脈血栓塞栓症に注意すべき? 京都大学大学院医学研究科・後藤和哉

この論文に着目した理由 アトピー性皮膚炎(AD)の疾病負荷としては、痒みや皮疹によるQOL(生活の質)の低下が注目されやすい。しかし、AD患者では炎症マーカーや血小板活性化マーカーが上昇することも知られている。この所見は静脈血栓塞栓症(VTE)の病態…

白髪が増えるのは毛包の幹細胞に原因がある? マウスを使った実験の結果

加齢とともに白髪が増えるのは、髪の色を作る幹細胞が毛包の中で「動けなく」なり、機能しなくなるためであることが、新たな動物実験から明らかになった。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部皮膚科・細胞生物学科の伊藤真由美氏らによる研究で、「Na…

重症/治療困難なアトピー性皮膚炎、経口アブロシチニブvs.デュピルマブ

重症および/または治療困難なアトピー性皮膚炎(AD)患者において、アブロシチニブはプラセボやデュピルマブよりも、迅速かつ大幅な皮疹消失とQOL改善をもたらした。米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが、第III相無作為化試験「JADE COMPARE…

TYK2/JAK1阻害薬で乾癬性関節炎を改善 brepocitinibの第Ⅱb相用量設定試験

米・Swedish Medical Center/Providence St. Joseph Health and University of WashingtonのPhilip Mease氏らは、中等症~重症の活動性乾癬性関節炎(PsA)に対する経口チロシンキナーゼ(TYK)2/ヤヌスキナーゼ(JAK)1阻害薬brepocitinibの安全性と有効…

アトピー性皮膚炎、「ダニ特異的エフェクターT細胞>制御性T細胞」で発症 筑波大ほか、研究成果は、「Clinical Immunology」に掲載

アトピー性皮膚炎、健常者よりTreg数が多いのに症状があるのはなぜ? 筑波大学は5月30日、アトピー性皮膚炎患者の血液中では、アトピー症状を引き起こす方向に働くダニ特異的T細胞が、炎症を抑制する方向に働くダニ特異的制御性T細胞より多い傾向にあること…

アトピーの掻痒を抑える抗体医薬、自己注射が可能に

2023年6月1日より、抗IL-31受容体抗体ネモリズマブ(商品名ミチーガ)が在宅自己注射指導管理料の対象薬剤となり、保険診療下での在宅自己注射が可能になった。同薬はアトピー性皮膚炎に伴う掻痒に対する初の抗体医薬で、2022年8月に発売された(関連記事:…

中等-重度思春期アトピー、トラロキヌマブが有効性示す

12-17歳の中等度ないし重度のアトピー性皮膚炎患者289例を対象に、トラロキヌマブの有効性と安全性を第III相無作為化二重盲検試験で検討(ECZTRA 6試験)。16週時の医師による全般的評価スコア0または1(IGA0/1)、および湿疹面積・重症度指数75%改善(EASI…

1-3歳児のピーナツアレルギー、経皮免疫療法が有効

ピーナツアレルギーが確認された1-3歳児362例を対象に、ピーナツパッチを用いた経皮免疫療法の有効性と安全性を、第III相多施設共同二重盲検プラセボ対照試験で検討。ピーナツタンパク質の誘発量が300mg以下の被験者を、経皮免疫療法(介入群)とプラセボパ…

女性の尋常性ざ瘡、スピロノラクトンが有効/BMJ

尋常性ざ瘡の女性患者の治療において、カリウム保持性利尿薬スピロノラクトンはプラセボと比較して、12週時の尋常性ざ瘡特異的QoL(Acne-QoL)の症状スコアが良好で、24週時にはさらなる改善が認められ、標準的な経口抗菌薬の代替治療として有用な可能性があ…

幼児のピーナツアレルギーにパッチ剤が有効 米・経皮免疫療法の第Ⅲ相RCT

米・University of Colorado School of MedicineのMatthew Greenhawt氏らは、ピーナツアレルギーを有する1~3歳児を対象に、ピーナツ蛋白質250μg含有(ピーナツ1粒の約1,000分の1に相当)のパッチ剤を貼付する経皮免疫療法の有効性と安全性を第Ⅲ相多施設二重…

MR拮抗薬、尋常性痤瘡への効果は?

尋常性痤瘡(にきび)の治療には、抗アンドロゲン作用を持つミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬スピロノラクトンの有効性が示唆されている。英・University of SouthamptonのMiriam Santer氏らは、抗菌薬治療を要する尋常性痤瘡の成人女性患者を対象に…

脂漏性皮膚炎に1日1回のroflumilast外用薬が有望

脂漏性皮膚炎による紅斑、鱗屑、そう痒の治療において、1日1回塗布のroflumilastフォーム0.3%(泡[フォーム]を形成する製剤)は、良好な有効性、安全性、および局所忍容性を示した。米国・オハイオ大学のMatthew J. Zirwas氏らが第IIa相二重盲検溶媒対照…

中等症~重症の乾癬に経口roflumilastが有効 デンマーク・46例のRCT

デンマーク・University of CopenhagenのMette Gyldenløve氏らは、中等症~重症の尋常性乾癬の患者46例を対象に、欧米で重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する治療薬として用いられるホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬roflumilast経口製剤の有効性と安全…

アトピー性皮膚炎、皮脂から重症度判定 花王など、あぶらとり紙で採取した顔の皮脂を解析

花王と皮膚薬大手のマルホ(大阪市北区)は11日、重症例を含む成人のアトピー性皮膚炎(AD)患者から、あぶらとり紙で採取した顔の皮脂を解析し、ADの重症度に応じて変化する分子が皮脂中のRNA(リボ核酸)に含まれることを確認したと発表した。重…

喘息やアトピー性皮膚炎の患者は変形性関節症のリスクが高い可能性 軽度の炎症が関与?

喘息やアトピー性皮膚炎(AD)の患者は、変形性関節症(OA)のリスクが高い可能性を示すデータが報告された。米スタンフォード大学のMatthew Baker氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of the Rheumatic Diseases」に3月27日掲載された。 Baker氏は、「…

「サル痘」国内では今年に入り感染者増 WHO「緊急事態」終了

世界保健機関(WHO)が11日、欧米を中心に患者が相次いだエムポックス(サル痘)の「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を終了すると発表した。 「エムポックスがもはや『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』ではないと宣言することをうれしく…

新規経口JAK/SYK阻害薬で慢性手湿疹が改善 Gusacitinibの第Ⅱ相試験

米・Asana BioSciences社のPablo A. Jimenez氏らは、中等症~重症の慢性手湿疹患者97例を対象に、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)/脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害薬gusacitinibの有効性と安全性を第Ⅱ相多施設共同プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験(RCT…

帯状疱疹は心血管疾患リスクの上昇と関連 帯状疱疹の既往のない人と比較して脳卒中や冠動脈性心疾患の長期リスク高

帯状疱疹は心血管イベントの長期リスクの上昇と関連しているとの研究結果が「Journal of the American Heart Association(JAHA)」12月6日号に掲載された。 米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のSharon G. Curhan氏らは、Nurses' Health Study(NHS)に登…

サル痘、重症/ハイリスク例にはテコビリマット投与を検討

2022年5月以降、感染報告が続いているサル痘(エムポックス )。欧米では感染報告が落ち着いてきている一方、日本では2023年に入り感染報告数が急増しています。2022年には8例の報告にとどまっていた感染報告数が2023年4月7日時点で計96例の報告数となってお…

円形脱毛症の経口薬ritlecitinib、有効性と忍容性良好

12歳以上の円形脱毛症(頭皮の50%以上脱毛)患者718例を対象に、経口JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬ritlecitinibの有効性と安全性を、18カ国118施設での第IIb-III相無作為化二重盲検試験で検討。主要評価項目は、24週時の脱毛症重症度評価ツール(Severi…

中等症~重症円形脱毛症、ritlecitinibで改善/Lancet

経口ヤヌスキナーゼ(JAK)3/TECファミリーキナーゼ阻害薬ritlecitinibは、12歳以上の円形脱毛症患者に有効で忍容性も良好であることを、米国・イェール大学のBrett King氏らが、日本を含む18ヵ国118施設で行われた第IIb/III相無作為化二重盲検プラセボ対照…

ワクチン接種者はコロナ後遺症リスクが4割以上低い可能性

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期以降にさまざまな症状が遷延する、「コロナ後遺症」と呼ばれる状態(post-COVID-19 condition;PCC)のリスクに関連する因子が報告された。女性や喫煙者、急性期に入院を要した人などはリスクが高く、反対にワ…

アトピーのルキソリチニブクリーム頓用が有益

アトピー性皮膚炎に対するルキソリチニブ(RUX)クリームの安全性と有効性を示した二重盲検第III相試験2件(NCT03745638およびNCT03745651)のデータを用いて、RUXクリーム頓用の長期安全性と効果を評価。参加者をRUXクリーム0.75%、1.5%、基剤に割り付け…

アトピーの早期積極治療で卵アレルギー予防 二重抗原曝露仮説を実証

乳児期に発症したアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーの発症リスクを高めるとされる。国立成育医療研究センターアレルギーセンターセンター長の大矢幸弘氏らは、アトピー性皮膚炎への早期積極治療による食物アレルギー発症予防効果を検討する多施設共同評価…

重度の円形脱毛症、MTX+低用量ステロイドで毛髪再生

フランス・ルーアン大学病院およびフランス国立衛生医学研究所(INSERM)U1234のPascal Joly氏らは、円形脱毛症(AA)のうち重度とされる全頭型AAまたは汎発型AA患者を対象に、メトトレキサート(MTX)単剤とプラセボの比較、MTX単剤とMTX+低用量prednisone…

デュピクセントで「特発性の慢性蕁麻疹」の効能追加を一変申請 サノフィ

サノフィは3月31日、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体・デュピクセントについて、特発性の慢性蕁麻疹(CSU)の効能追加を一変申請したと発表した。CSUの治療には抗ヒスタミン薬が用いられるが、症状のコントロールが得られない患者は多く、他の…

アルツハイマー病の薬が抜毛症と皮膚むしり症の症状を軽減か

アルツハイマー型認知症の治療薬として長年にわたり使用されているメマンチンが、抜毛症や皮膚むしり症の症状の軽減に役立つ可能性が、米シカゴ大学精神科学・行動神経科学教授のJon Grant氏らが実施した臨床試験で示された。同試験では、メマンチンが投与さ…