デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

チルドラキズマブ(イルミア®)承認について

厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は2020年5月28日、新規6薬剤を承認しました。

皮膚科ではチルドラキズマブと、アダリムマブのバイオシミラーが関係しています。

 

イルミア皮下注100mgシリンジ(チルドラキズマブ(遺伝子組換え)、サンファーマ):「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤。同剤が結合するIL-23(インターロイキン-23)は自己免疫性炎症疾患に関与する17型ヘルパーT細胞の維持及び活性化に関与するサイトカイン。同剤がIL-23に結合することでIL-23とIL-23受容体との結合を阻害し、炎症性サイトカイン及びケモカインの遊離を抑制する。同種同効薬にはヤンセンファーマが製造販売元のトレムフィア皮下注などがある。海外では18年3月に米国で、同年9月に欧州とオーストラリアで承認済。

 

www.mixonline.jp

 

インド資本のサンファーマが、日本のポーラファルマを買収し、国内での販売を行います。海外ではイルメトリィという名前で出ています。これで乾癬の生物学的製剤は10剤目ですね。
チルドラキズマブはIL-23製剤ですが、皮疹の改善度ではトレムフィアやスキリージには劣っています。ただ、安全性が非常に高いというデータがでています。
乾癬性関節炎に対する治験で、第2相ですがACR20改善率が50%でしたが、第3相試験の結果を確認しないとはっきりしたことはわかりません。
IL-23はイーライリリーのミリキズマブが出れば4剤になりますね。

 

アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「FKB」、同皮下注40mgシリンジ0.8mL「FKB」、同BS皮下注40mgペン0.8mL「FKB」(アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続1]、協和キリン富士フイルムバイオロジクス):「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、既存治療で効果不十分な▽多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎▽尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬▽強直性脊椎炎▽腸管型ベーチェット病――、中等症又は重症の活動期にあるクローン病寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間なし。

先発品ヒュミラの初のバイオ後続品(BS)となる。同BSは、先発品が持つ潰瘍性大腸炎や化膿性汗腺炎などの一部の効能は含まれない。海外ではEUで承認済。
 
ヒュミラのバイオシミラー製剤は協和キリン富士フイルムバイオロジクスが一番手でした。