【ワシントン共同】米製薬大手ファイザーのチームは12日、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種した人に、ウイルスに対抗する抗体ができたとする臨床試験の初期成果を英科学誌ネイチャーに発表した。
ワクチンはドイツのバイオテクノロジー企業ビオンテックとの共同開発。7月末に3万人対象の大規模な臨床試験が米国で始まった。両社は順調なら10月にも米食品医薬品局(FDA)の安全性や有効性の審査を受け、認められれば年末までに最大1億回分、来年末までに13億回分の製造を目指すとしている。
日本政府は開発に成功した場合、来年6月末までに6千万人分の供給を受けることでファイザーと基本合意している。
発表によると、18~55歳の健康な45人をグループに分け、異なる量や回数を筋肉注射し、免疫の反応を調べた。その結果、接種21日後には全ての人の血液に抗体ができたことを確認。2回投与したグループの抗体の量は、実際に感染した人の1・9~4・6倍だった。
投与に伴う深刻な副作用はなかったが、多くが接種場所の痛みを訴え、投与量が多いほど症状が重かった。