デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

米FDAが局所進行・転移性基底細胞がんにcemiplimab-rwlc承認 基底細胞がんに初の免疫チェックポイント阻害薬

 米国食品医薬品局(FDA)は2月9日、局所進行および転移性の基底細胞がん(BBC)に対して、抗PD-1抗体cemiplimab-rwlc(商品名Libtayo、Regeneron Pharmaceuticals社)を承認した。ヘッジホッグシグナル阻害薬(HHI)による治療歴があるか同薬の適応がない局所進行BCCには通常承認、HHIによる前治療歴があるか同薬の適応がない転移性BCCには迅速承認制度下で承認した。

 cemiplimab-rwlcの有効性は、HHIによる治療後の進行BCC(局所進行BCCまたは転移性BCC)で、HHI薬開始後9カ月時に客観的な腫瘍縮小効果が認められなかった患者およびHHI薬に忍容性がなかった患者を対象とした現在進行中の多施設非無作為化非盲検臨床試験「1620」で評価されている。局所進行BCC患者の適格基準は、根治的手術または放射線療法の適応がないこととした。全被験者にcemiplimab-rwlc 350mgを疾患進行または許容できない毒性の発現が見られるまで、または規定の治療が完了するまで3週ごとに最長93週間投与した。有効性の主要評価項目は、独立審査委員会が判定した確定客観的奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)だった。

 その結果、局所進行BCC患者84例の確定ORRは29%(95%CI 19-40%)、DOR中央値は未到達(範囲2.1-21.4カ月)で、79%が6カ月間以上の奏効を達成した。転移性BCC患者28例の確定ORRは21%(95%CI 8-41%)、DOR中央値は未到達(範囲9-23.0カ月)で、全被験者が6カ月間以上の奏効を達成した。

 重篤な副作用に、肺炎、肝炎、大腸炎、副腎機能不全、甲状腺機能低下症および亢進症、糖尿病、腎炎などの免疫介在性副作用ならびに輸注反応があった。発現頻度の高い(20%以上)有害反応は、倦怠感、筋骨格痛、下痢、発疹、そう痒だった。

 

コメント:

基底細胞癌もいよいろPD-1の時代ですね。

次は、有棘細胞癌にCemiplimab, Pembrolizumabの適応が拡大していくでしょう。

第3相試験の結果が楽しみですね。

 

www.fda.gov