デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

中等症以上のアトピー性皮膚炎がabrocitinibで改善

 アトピー性皮膚炎の治療に用いる経口ヤヌスキナーゼ1(JAK1)阻害薬abrocitinibの効果を第III相二重盲検試験で検討。外用薬無効または全身療法を要するアトピー性皮膚炎患者838例をabrocitinib 200mg群、同100mg群、デュピルマブ群、プラセボ群に(2対2対2対1の割合で)無作為に割り付けた(全例に外用薬を併用)。主要評価項目は、12週時の医師による全般的評価(IGA)の改善(IGAスコア2点以上の改善と定義)および湿疹面積・重症度指数(EASI)の75%以上の改善(EASI-75)とした。

 その結果、12週時にIGAが改善した患者の割合は、abrocitinib 200mg群48.4%、同100mg群36.6%、デュピルマブ群36.5%、プラセボ群14.0%で(プラセボと比較したabrocitinib投与2群のP<0.001)、12週時のEASI-75達成率は、それぞれ70.3%、58.7%、58.1%、27.1%だった(プラセボと比較したabrocitinib投与2群のP<0.001)。abrocitinib 200mg群は2週時のそう痒改善でデュピルマブに対する優越性を示したが、abrocitinib 100mg群は優越性を示さなかった。16週時、abrocitinibいずれの用量群でも、その他の主要な副次評価項目のほとんどにデュピルマブとの有意差は認められなかった。abrocitinib 200mg群の11.1%と同100mg群の4.2%に悪心、それぞれ6.6%と2.9%にざ瘡が発現した。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

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コメント:

アブロシチニブ vs デュピルマブの論文がでました。

アブロ100はデュピと同程度で、アブロ200はデュピよりもよさそうですね。

ただアブロ200はざ瘡が増えています。

今後、アトピー性皮膚炎に対するJAK阻害薬の使い分けが問題となりそうです。