デルマニアのブログ

デルマニアのブログ

とある皮膚科医のブログです。

アトピー患者でデュピルマブ治療前後の遺伝子発現の変化を検討

 中等症ないし重症のアトピー性皮膚炎(AD)患者18例と健常者17例から採取した皮膚テープストリップ検体のトランスクリプトミクス解析で、デュピルマブによる治療前後の遺伝子発現の変化および治療反応バイオマーカーを検証した。

 その結果、健常群の検体に比べると、デュピルマブ治療前のAD患者群の病変皮膚検体から6745個、非病変皮膚検体から4859個発現量が異なる遺伝子が検出されたが、デュピルマブ治療後ではそれぞれ841個、977個だった(倍率変化>1.5、偽発見率<0.05)。デュピルマブ治療によりCCL13、CCL17、CCL18などのAD免疫バイオマーカー、ペリプラキン、FA2Hなどのバリアバイオマーカーが有意に調節され、バイオマーカーのCCL20、インターロイキン34、FABP7の変化に湿疹面積・重症度指数で評価した臨床的改善との有意な相関が示された(R>0.5または<-0.4、P<0.05)。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov