デルマニアのブログ

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弱毒化帯状疱疹生ワクチンはTNF阻害薬使用中の患者にも安全  水痘または帯状疱疹の累積発生率は0%

 腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬を使用中の患者において、弱毒化帯状疱疹生ワクチン(ZVL)の使用は安全で、短期的に十分な有効性があることが、「Annals of Internal Medicine」に9月28日報告された。

 米アラバマ大学のJeffrey R. Curtis氏らは、TNF阻害薬を使用中の50歳以上の成人において、ZVLの安全性と免疫原性を調べた。33施設において、成人617人がZVL群(310人)とプラセボ群(307人)に1対1の比率でランダムに割り付けられた。

 TNF阻害薬の最も多い適応症関節リウマチ(57.6%)と乾癬性関節炎(24.1%)だった。6週後、確認された水痘感染はなく、水痘または帯状疱疹の累積発生率は0%だった。

 糖タンパク質酵素結合免疫吸着測定法、酵素免疫スポット法で調べた免疫原性については、ベースライン時と比較して、6週時点で幾何平均上昇倍数がそれぞれ1.33%ポイント、1.39%ポイント上昇していた。

 著者らは、「生物学的製剤による免疫抑制中の患者への生ワクチンの使用には米国で特別なラベル表示が必要であることから使用がためらわれるかもしれないが、別の帯状疱疹ワクチンが利用できない場合、TNF阻害薬使用中の患者へのZVL使用は合理的な選択肢といえる」と述べている。

 

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