デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

米FDAが結節性痒疹にデュピルマブ承認  24週で掻痒と病変の評価項目達成

 米国食品医薬品局(FDA)は9月29日、成人の結節性痒疹(PN)の治療薬として、デュピルマブ(商品名デュピクセント)を承認した。デュピクセントはこの疾患に対する初のFDA承認薬となる。本剤は、アトピー性皮膚炎、喘息など多数の適応症FDAの承認を受けている。単回使用の針シールド付きプレフィルドシリンジまたはプレフィルドペンとして提供され、皮下注射により投与する。

 PNは皮膚の希少疾患で、皮膚に痒みを伴う硬いしこり(結節)が形成される。痒みが強いと、掻爬によって出血疼痛が生じることがある。このほか、掻爬よってさらに皮膚病変が出現することもある。米国National Organization for Rare Diseasesのデータベースによれば、1年間に成人約8万7000人が罹患している。

 成人のPN治療としてのデュピクセントの安全性と有効性は、EFC16459(PRIME)およびEFC16460(PRIME2)の両試験で評価された。デュピクセントを初回に600mg、その後2週間ごとに300mg、24週間投与した。24週時点で、皮膚の痒み(皮膚掻痒)がWorst Itch Numeric Rating Scale(WI-NRS、最悪の痒み数値評価尺度)で4ポイント以上改善した参加者の割合、Investigator’s Global Assessment PN-stage scale(IGA PN-S、医師による全般的PN病期評価尺度)でスコア0または1(結節数0-5に相当)を達成した参加者の割合、両尺度で奏効を達成した参加者の割合で有効性を評価した。本剤の主要評価項目および重要な副次評価項目は、プラセボとの比較で有意だと判断された。

 頻度の高い副作用には、注射部位反応、単純ヘルペスウイルス感染症感冒筋肉痛下痢咽頭痛などがある。重篤な副作用として、アレルギー反応眼障害、血管の炎症関節痛が発現する可能性がある。18歳未満の小児に対する本剤の安全性と有効性は明らかにされていない。

 

www.fda.gov