デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

インフリキシマブでSARS-CoV-2抗体反応が低下

 英国92施設で、インフリキシマブ投与によって新型コロナウイルスSARS-CoV-2)抗体反応が低下するかを検討。インフリキシマブで治療中の炎症性腸疾患(IBD)患者4685例の抗体反応を腸管選択的抗インテグリンα4β7モノクローナル抗体ベドリズマブで治療中のIBD患者2250例(参照コホート)と比較した。

 その結果、症候性で検査確定したSARS-CoV-2感染の比率は両群間で同等だった。血清陽性率は、インフリキシマブ投与患者がベドリズマブ投与患者より低かった(3.4% vs. 6.0%、P<0.0001)。多変量ロジスティック回帰分析の結果、血清陽性率低下に関連を示す独立の因子に、インフリキシマブ投与(ベドリズマブ投与と比較したオッズ比0.66、95%CI 0.51-0.87、P=0.0027)、免疫調節薬使用(オッズ比0.70、95%CI 0.53-0.92、P=0.012)があった。SARS-CoV-2感染確定例では、インフリキシマブ投与患者の血清陽性転換はベドリズマブ投与患者より少なく(48% vs. 83%、P=0.00044)、抗SARS-CoV-2反応の程度も低かった(カットオフインデックス中央値0.8 vs. 37.0、P<0.0001)。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

山火事でアトピー性皮膚炎・かゆみ受診率が増加

 山火事による大気汚染の短期間曝露と、アトピー性皮膚炎(AD)およびかゆみを有する患者の受診機会の増加には関連性が認められることを、米国・カリフォルニア大学のRaj P. Fadadu氏らが横断研究によって明らかにした。大気汚染は世界的な公衆衛生上の課題で、近年の山火事による悪化も深刻になっている。しかし、山火事と大気汚染、および炎症性皮膚疾患との関連は明らかにされていない。著者は、「今回の結果は、大気の質の悪化とスキンヘルスの関連の理解を深めることに寄与するものであり、医療の専門家による皮膚疾患患者のカウンセリングと公衆衛生の実践に参考となるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年4月21日号掲載の報告。

 研究グループは、山火事に関連した大気汚染とADまたはかゆみを有する患者のクリニック受診との関連、およびAD患者への処方との関連を評価する横断研究を行った。2018年11月に発生したCalifornia Camp Fire(カリフォルニアの歴史上、最も致命的で最も破壊的な山火事とされる)による大気汚染と、山火事の発生源から175マイル(約282km)離れたサンフランシスコの3次医療機能を有する大学病院システム下の皮膚科クリニック受診との関連を評価した。

 山火事の発生前、延焼中、鎮火後に受診(2018年10月~2019年2月)したADまたはかゆみを有する小児および成人患者を対象とし、サンフランシスコ近郊で大規模な山火事の発生がなかった2015~16年の同時期の受診患者と比較した。データ分析は2019年11月1日~2020年5月30日に実施した。山火事関連の大気汚染は、火災の状態、PM2.5の濃度、衛星観測に基づく煙流濃度の3つの指標で特徴付け、評価した。

 主要評価項目は、ADまたはかゆみの週当たりの受診回数。副次評価項目は、成人AD患者の塗布薬および服用薬の週当たりの処方数とした。

 主な結果は以下のとおり。

・計4,147例の患者(平均年齢44.6[SD 21.1]歳、女性2,322例[56%])に関する8,049件の受診内容について解析が行われた。
・温度、湿度、患者の年齢、および小児患者についてはクリニックでの総患者数で補正後、California Camp Fire延焼中のADに関する受診率は、山火事が発生していない週(lag 0)の受診率に対して、小児患者1.49倍(95%信頼区間[CI]:1.07~2.07)、成人患者は1.15倍(1.02~1.30)であった。
・California Camp Fire延焼中のかゆみに関する補正後受診率比は、小児患者1.82(95%CI:1.20~2.78)、成人患者1.29(0.96~1.75)であった。
PM2.5濃度の週当たり平均10μg/m3の上昇で、小児のかゆみによる週当たりのクリニック受診は7.7%(95%CI:1.9~13.7)増加した。
・lag 0と比較したCalifornia Camp Fire延焼中における、成人の内服薬の補正後処方率比は1.45(95%CI:1.03~2.05)であった。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

ファイザー社コロナワクチン、症状の有無を問わず感染予防効果あり

 英国の医療従事者コホートを対象に、新型コロナウイルスSARS-CoV-2)に対するBNT162b2 mRNAとChAdOx1 nCOV-19アデノウイルスベクターワクチンの接種率の関連因子とBNT162b2 mRNAワクチンの有効性を前向きコホート研究で評価した(SIREN試験、現在も進行中)。

 イングランド域内104施設の医療従事者2万3324例を解析対象とした(平均年齢46.1歳、女性84%)。8203例(35%)を陽性コホート(抗体陽性またはPCR判定の感染歴あり)は、1万5121例(65%)を陰性コホート(抗体陰性で感染歴なし)に割り付けた。追跡期間は2カ月間で、110万6905人日(ワクチン接種群39万6318例、非接種群71万587例)となった。2021年2月5日時点のワクチン接種率は89%、そのうち94%がBNT162b2ワクチンを接種していた。低接種率に過去の感染、性別、年齢、民族、職能、多重貧困指数スコアとの有意な関連が見られた。

 追跡期間中、ワクチン未接種群では977例(罹患密度1万人日当たり14例)が新たに感染し、ワクチン接種群では初回接種から21日以上経過後に71例(同8例)、2回目接種から7日経過後に9例(同4例)が新たに感染した。ワクチン未接種群では、PCR検査が陽性だった日の14日前から検査当日までの間に543例(56%)が典型的なCOVID-19症状を呈し、140例(14%)が無症状だったのに対して、ワクチン接種群では、典型的症状を呈したのは29例(36%)、無症状者は15例(19%)だった。BNT162b2ワクチン単回接種の有効性は、初回接種から21日後は70%(95%CI 55-85)、2回目接種から7日後では85%(同74-96)だった。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

定期的な運動は新型コロナの重症化リスクを低減 18歳以上の成人患者4万8,440人を対象に解析

 運動は、加齢に伴い増加するさまざまな慢性疾患の予防に効果的だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化予防にも有効である可能性が報告された。日常的に身体活動を行っていたCOVID-19患者では、入院や集中治療室(ICU)入室、死亡のリスクが低いことが明らかになったという。米カイザー・パーマネンテ・フォンタナ医療センターのRobert Sallis氏らによるこの研究の詳細は、「British Journal of Sports Medicine」に4月13日掲載された。

 この研究は、2020年1月1日から10月21日の間にCOVID-19の診断を受けた、米カイザー・パーマネンテ南カリフォルニアの18歳以上の成人患者4万8,440人(年齢中央値47歳、女性61.9%)を対象にしたもの。これらの対象者はいずれも、2018年3月19日から2020年3月18日の間の外来受診時に、3回以上にわたり過去2カ月間かそれ以上の間の身体活動量に関する評価を受けていた。Sallis氏らは、対象者の身体活動量を、1)一貫して活動的(いずれの評価でも運動時間が150分/週を超える)、2)一貫して非活動的(いずれの評価でも運動時間が0~10分/週)、3)多少は活動的(運動時間が11~149分/週、または運動時間にばらつきがある)の3群に分類した。

 対象者の中で「常に活動的」「常に非活動的」「多少は活動的」の基準を満たしたのは、それぞれ6.4%、14.4%、79.2%であった。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、身体活動量とCOVID-19アウトカムとの関連を検討した結果、一貫して非活動的だった人は、一貫して活動的だった人に比べて、COVID-19による入院、ICU入室、および死亡のリスクが有意に高いことが明らかになった(オッズ比はそれぞれ、2.26、1.73、2.49)。常に非活動的だった人を、多少は活動的だった人と比べた場合でも、入院、ICU入室、および死亡のリスクは有意に高かった(オッズ比はそれぞれ、1.20、1.10、1.32)。

 こうした結果を受けてSallis氏は、「われわれの研究により、定期的に運動を行っている人では、COVID-19に打ち勝つ可能性が非常に高いことが明らかになった。この結果は、パンデミック中だけでなくパンデミック収束後も、健康的な生活習慣、とりわけ運動が重要であることを明示し、また再認識させるものだ」と述べている。

 論文の共著者である、米カイザー・パーマネンテ南カリフォルニアのDeborah Rohm Young氏は、「この研究で最も驚かされたのは、運動不足とCOVID-19のアウトカム不良との関連の強さだった」と話す。「肥満や喫煙などの因子を考慮しても、運動不足は入院、ICU入室、死亡の大幅なリスク増加に強く関連していた」と付け加えている。

 Sallis氏は、「週5日、1日30分間、適度なペースでウォーキングをするだけでもCOVID-19に対して大きな効果が得られるだろう」と述べている。適度なペースとは、会話はできるが、歌うことはできない程度に息切れするペースのことである。

 

https://bjsm.bmj.com/content/early/2021/04/07/bjsports-2021-104080

 

尋常性乾癬でbimekizumabがセクキヌマブに優越性示す

 中等症ないし重症の尋常性乾癬患者743例を対象に、IL-17AおよびIL-17Fを選択的に阻害するIgG1モノクローナル抗体bimekizumabの有効性と安全性を第IIIb相試験でセクキヌマブと比較。患者をbimekizumab群(320mgを4週に1回投与、373例)とセクキヌマブ群(300mgを4週目まで毎週投与、以後48週目まで4週に1回投与:370例)に均等に無作為に割り付けた。16週目にbimekizumab群を再度無作為化し、維持量を48週目まで4週1回投与群と8週に1回投与群に1対2の割合で割り付けた。主要評価項目は、16週時の乾癬面積・重症度指標(PASI)スコアの試験開始時からの100%低下(PASI 100)とした。

 その結果、16週時のPASI 100達成率は、bimekizumab群61.7%、セクキヌマブ群48.9%だった(調整後リスク差12.7%ポイント、95%CI 5.8-19.6)。bimekizumabのセクキヌマブに対する非劣性および優越性が示された(非劣性および優越性のP<0.001)。口腔カンジダ症の発症数は、bimekizumab群(19.3%)の方がセクキヌマブ群(3.0%)よりも多かった。

 

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中等度以上の尋常性乾癬でbimekizumabがアダリムマブに優越性

 中等症ないし重症の尋常性乾癬の患者478例を対象に、bimekizumabの有効性と安全性をアダリムマブと比較。主要評価項目は、16週時の乾癬面積・重症度指標(PASI)スコア90%以上の改善(PASI 90)、医師による全般的評価(IGA)0点または1点(病変が消失またはほぼ消失)とした。

 患者の平均年齢は44.9歳、ベースラインの平均PASIスコアは19.8点だった。16週時、bimekizumab群(56週間投与群と16週間投与群の統合)319例中275例(86.2%)とアダリムマブ群159例中75例(47.2%)がPASI 90を達成した(調整後リスク差39.3パーセントポイント、95%CI 30.9-47.7、非劣性および優越性のP<0.001)。bimekizumab群319例中272例(85.3%)とアダリムマブ群159例中91例(57.2%)でIGAスコアが0点または1点だった(調整後リスク差28.2パーセントポイント、95%CI 19.7-36.7、非劣性および優越性のP<0.001)。bimekizumabの有害事象で頻度が高かったのは、上気道感染症、口腔カンジダ症(治験担当医師は主に軽度ないし中等度と記録)、高血圧、下痢だった。

 

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J&Jの新型コロナワクチン、重症・重篤化に高い予防効果/NEJM

 Janssen(米国・Johnson & Johnsonグループの医薬品部門)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「Ad26.COV2.S」は、単回接種によりCOVID-19を予防し、とくに入院や死亡を含む重篤なCOVID-19に対する有効率が高いことが認められた。安全性は、他のCOVID-19ワクチンの第III相試験と同様であった。オランダ・Janssen Vaccines and PreventionのJerald Sadoff氏らが、Ad26.COV2.Sの国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「ENSEMBLE試験」の結果を報告した。Ad26.COV2.Sは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の完全長・安定化スパイク(S)タンパク質をコードする遺伝子組み換え非増殖型アデノウイルス血清型26(Ad26)ベクターである。NEJM誌オンライン版2021年4月21日号掲載の報告。

米国、南米、南アフリカにおいて、約4万4,000人にワクチンまたはプラセボを接種
 ENSEMBLE試験は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、南アフリカおよび米国において実施された。研究グループは、18歳以上の成人をAd26.COV2.S(ウイルス粒子量5×1010/mL)群(以下ワクチン群)またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、単回接種した。

 主要評価項目は、per-protocol集団における接種後14日以降、および接種後28日以降の中等症~重症・重篤COVID-19発症で、安全性についても評価した。

 2020年9月21日に登録を開始し、計4万4,325人が無作為化され、うち4万3,783人が接種を受けた(ワクチン群2万1,895人、プラセボ群2万1,888人)。per-protocol集団は、ワクチンまたはプラセボの接種を受け、接種時SARS-CoV-2血清陰性または不明でプロトコールの逸脱がなかった参加者と定義し、3万9,321人(ワクチン群1万9,630人、プラセボ群1万9,691人)が含まれた(データカットオフ日は2021年1月22日)。

重症・重篤COVID-19予防の有効率は接種後14日以降で77%、28日以降で85%
 接種後14日以降に発症した中等症~重症・重篤COVID-19症例は、ワクチン群116例、プラセボ群348例であり、有効率は66.9%(補正後95%信頼区間[CI]:59.0~73.4)であった。また、投与後28日以降の同症例はそれぞれ66例および193例で、有効率は66.1%(55.0~74.8)であった。

 COVID-19重症度別の有効率は、接種後14日以降発症例で中等症64.8%(補正後95%CI:55.8~72.2)に対し重症・重篤76.7%(54.6~89.1)、接種後28日以降発症例でそれぞれ62.0%(48.7~72.2)および85.4%(54.2~96.9)であり、ワクチンは重症・重篤COVID-19の予防効果がより高いことが示された。

 南アフリカでは、20H/501Y.V2変異株が高頻度に検出されたが(91配列中86配列、94.5%)、有効率は、接種後14日以降発症の中等症~重症・重篤COVID-19に対して52.0%(補正後95%CI:30.3~67.4)、重症・重篤COVID-19に対して73.1%(40.0~89.4)、接種後28日以降でそれぞれ64.0%(41.2~78.7)および81.7%(46.2~95.4)であった。

 重篤な有害事象の発現率は、両群とも0.4%であった。静脈血栓塞栓症はワクチン群11例、プラセボ群3例に認められたが、多くは基礎疾患や素因に起因している可能性が考えられた。死亡例はワクチン群で3例(COVID-19との関連なし)、プラセボ群で16例(5例がCOVID-19関連死)であった。

 

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