デルマニアのブログ

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円形脱毛症の新用量医薬品が審議へ

ノバルティスの慢性特発性蕁麻疹治療薬・ラプシドなど新薬10製品を審議へ

5月25日の第二部会で

 

 厚生労働省は5月25日に薬事審議会・医薬品第二部会を開き、ノバルティスファーマの特発性の慢性蕁麻疹(CSU)治療に使用する経口BTK阻害剤・ラプシド錠(一般名:レミブルチニブ)など新薬10製品の承認の可否を審議する。

 このほか審議予定品目には、アストラゼネカのESR1遺伝子変異乳がんに使用する経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)・エトカマ錠(カミゼストラント)や、MSDの新生児および乳幼児向けRSウイルス感染症発症抑制・予防抗体薬・エヌフロンシア筋注(クレスロビマブ)などがある。

 報告予定品目は5製品。アストラゼネカの抗PD-L1抗体・イミフィンジの胃がんにおける術前・術後補助療法の効能追加や、ビーワン・メディシンズの抗PD-1抗体・テビムブラの胃がんの効能追加などが含まれる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ラプシド錠25 mg(レミブルチニブ、ノバルティスファーマ):「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

 経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。BTKを標的とすることでヒスタミンやその他の炎症性メディエーターの放出を抑制し、特発性の慢性蕁麻疹(CSU)治療に対する独自のアプローチとなる。

 米国でラプシドは、第2世代の抗ヒスタミン薬による治療にも関わらず、症状が続くCSU患者を対象とした第3相REMIX-1試験およびREMIX-2試験の結果に基づき、25年9月に承認されている。

 国内では、第2世代の抗ヒスタミン薬で効果不十分なCSUの適応で、抗IgE抗体・ゾレアが2017年3月に、抗IL-4/13受容体抗体・デュピクセントが2024年2月に承認されている。

キネレット皮下注100mgシリンジ(アナキンラ(遺伝子組換え)、Swedish Orphan Biovitrum Japan):「全身型若年性特発性関節炎、成人発症スチル病」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

 インターロイキン-1(IL-1)阻害剤。対象疾患とする全身型若年性特発性関節炎(sJIA)および成人発症スチル病(AOSD)は、発熱、関節症状及び皮疹を主症状とする全身性炎症性疾患。発症年齢が異なるものの、同一の病態を有する。

 国内では、抗IL-6受容体抗体・アクテムラや、抗IL-1β抗体・イラリスがsJIAおよびAOSDの適応を持っている。

▽①ゾコーバ錠25mg、②同錠125mg(エンシトレルビル フマル酸、塩野義製薬):「SARS-CoV-2による感染症の治療」を対象疾患とする①新用量・剤形追加に係る医薬品、②新用量医薬品。

 3CLプロテアーゼ阻害剤。現在、12歳以上の小児及び成人に対する用法・用量が設定されているが、今回、小児の用量を追加するもの。塩野義製薬は25年6月に6歳以上かつ体重20kg以上に範囲を拡大する用法・用量の追加申請を行っている。25mgは剤形追加。

エヌフロンシア筋注シリンジ105mg(クレスロビマブ(遺伝子組換え)、MSD):「1.生後初回のRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染流行期の2.以外の全ての新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防、2.生後初回のRSウイルス感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

 抗RSウイルス抗体。米国では、第2b/3相CLEVER試験の結果に基づき2025年6月に承認されている。国内では、新生児および乳幼児向けRSウイルス感染症発症抑制・予防抗体薬としてベイフォータスやシナジスがある。

エトカマ錠75mg(カミゼストラント、アストラゼネカ):「内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認され疾患進行が認められないホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

 経口投与の選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)。承認されると、イムルリオに続く経口SERDとなる。イムルリオ(薬価未収載)の適応が、「内分泌療法後に増悪したESR1遺伝子変異を有するHR陽性・HER2陰性乳がん」なのに対し、エトカマは「内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認され疾患進行が認められないHR陽性・HER2陰性乳がん」を予定しており、若干異なる。

 エトカマの第3相SERENA-6試験では、循環腫瘍DNA(ctDNA)によって内分泌療法抵抗性の出現を検出し、病勢進行前に治療の切り替えを実施するアプローチが採用された。

ティブソボ錠250mg(イボシデニブ、日本セルヴィエ):「がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

 IDH1阻害剤。承認されると、ティブソボにとってIDH1 遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)に続く2つ目の適応となる。承認申請は、既治療の胆管がん(CCA)患者を対象とした海外第3相AG120-C-005(ClarIDHy)試験および国内第2相CL2-95031-008試験の結果に基づき行われた。

サークリサ皮下注1400mg(イサツキシマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「多発性骨髄腫」を対象疾患とする新投与経路医薬品。

 抗CD38抗体。現在、サークリサは点滴静注製剤が承認されている。皮下注製剤は、静脈内投与と比較して、投与に要する時間の大幅な短縮が可能になり、患者や医療従事者の負担軽減などが期待されている。

イソトレックスカプセル8mg、同カプセル16mg(イソトレチノイン、サンファーマ):「大量化学療法後の神経芽腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

 ビタミンA類似薬。対象疾患となる神経芽腫の推定患者数は約500人。小児が主な患者となることから、疼痛等の副作用が少ない治療が望まれている。国内では、抗GD2抗体・ユニツキシンが「大量化学療法後の神経芽腫」の適応を持っている。

レットヴィモ錠40mg、同錠80mg、同カプセル40mg、同カプセル80mg(セルペルカチニブ、日本イーライリリー):「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍、RET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様がん」を対象疾患とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

 RET受容体型チロシンキナーゼ阻害剤。現在、成人と12歳以上の小児の用法・用量がそれぞれ設定されている。2歳(年齢下限)以上の小児も含むようにする申請が行われた。

ミンジュビ点滴静注用200mg(タファシタマブ(遺伝子組換え)、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン):「再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

 抗CD19抗体。承認されると、ミンジュビにとって「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)」に続く2つ目の適応となる。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の総患者数は約2万8000人と報告されている。

 現在、未治療のDLBCLに対する標準的治療として、R-CHOP療法又はPola-R-CHP療法が推奨されており、再発又は難治性に対しては、救援化学療法やCAR-T療法が推奨されている。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
 報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

テビムブラ点滴静注100mg(チスレリズマブ(遺伝子組換え)、ビーワン・メディシンズ):「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

 抗PD-1抗体。承認されると、テビムブラにとって「根治切除不能な進行・再発の食道がん」に続く2つ目の適応となる。米国では、第3相RATIONALE-305試験の結果に基づき、胃がん1次治療の適応で24年12月に承認されている。

イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(デュルバルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「胃がんにおける術前・術後補助療法」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

 抗PD-L1抗体。承認されると、早期胃がんの周術期治療の適応を持つ国内初のがん免疫療法薬となる。米国では、第3相MATTERHORN試験の結果に基づき、25年11月に承認されている。

オルミエント錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、同内用懸濁液2mg/mL(バリシチニブ、日本イーライリリー):「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」を対象疾患とする新用量医薬品。

 JAK阻害剤。現在、円形脱毛症に対して成人の用法・用量が設定されている。今回、12歳以上の小児を追加するもの。

タービー皮下注3mg、同皮下注40mg(トアルクエタマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を対象疾患とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
テクベイリ皮下注30mg、同皮下注153mg(テクリスタマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を対象疾患とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

 タービーは抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体。テクベイリは抗BCMA/CD3二重特異性抗体。それぞれ「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対する単剤療法で承認されている。今回、併用療法が承認申請された。

経口TYK2/JAK1阻害薬brepocitinib 30mgで皮膚筋炎が改善 NEJM2026年4月6日

■この記事のポイント

  • 治療抵抗性の成人皮膚筋炎患者において、経口TYK2/JAK1阻害薬brepocitinib 30mgでは、52週時点の筋炎複合指標(TIS)がプラセボと比較して有意に改善した。
  • 30mg投与群では、皮膚症状の改善、ステロイドの減量成功、身体機能の向上など全ての主な副次評価項目を達成し、最短4週目から改善効果が認められた。
  • 安全性において、30mg群では重篤な感染症のリスクがプラセボ群より高かった。

背景 brepocitinibは、皮膚筋炎に関与しているとされるサイトカインシグナルを遮断するファースト・イン・クラスの経口選択的TYK2-JAK1阻害薬である。

方法 この第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験において、成人の皮膚筋炎患者を、1日1回の経口brepocitinib 30mg群、15mg群、またはプラセボ群に1:1:1の割合で52週間割り付けた。標準治療は継続、グルココルチコイドは漸減した。主要評価項目は、52週時点の検証済み複合筋炎指標であるTotal Improvement Score(TIS:0~100の範囲、スコアが高いほど改善が大きいことを示す)とした。皮膚疾患の活動性、グルココルチコイドの漸減、および身体機能を含む主な副次評価項目は、多重性を制御した順序で検定した。

結果 合計241名の患者を無作為化し、81名をbrepocitinib 30mg群、81名を15mg群、79名をプラセボ群とした。52週時点の平均TISは、それぞれ46.5、37.5、および31.2であった(brepocitinib 30mgとプラセボの比較:差15.3、95%信頼区間[CI]6.7~24.0、P < 0.001;brepocitinib 15mgとプラセボの比較:差6.3、95% CI -2.4~14.9)。brepocitinib 30mgは、皮膚疾患の活動性、全身性グルココルチコイドの漸減、および機能障害を含む9つの主な副次評価項目の全てにおいてプラセボより優れており、早ければ4週目から改善が観察された。重篤な感染症は、brepocitinib 30mg群でプラセボ群よりも頻度が高かった(10% vs. 1%)。試験期間中に死亡例は発生しなかった。

結論 従来の治療に抵抗性を示した成人の皮膚筋炎患者において、brepocitinib 30mg(15mgではない)の使用により、複合筋炎指標、皮膚疾患の重症度、グルココルチコイドの漸減、および機能障害に関して有意なベネフィットが得られた。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

JAK阻害薬・リンヴォック 尋常性白斑の適応追加を申請

アッヴィ

ミクスOnline2026年3月18日 (水)配信 
 
 アッヴィは3月13日、経口JAK阻害薬・リンヴォックについて、尋常性白斑の適応追加を申請したと発表した。リンヴォックは現在、アトピー性皮膚炎など8つの適応症で承認されている。

 尋常性白斑の疾患管理は、尋常性白斑の進行を抑制するか色素再生を図るかの目標を決め、それぞれに適した治療法を選択することが必要とされているが、これらの目標を達成するために承認されている全身薬物療法はなく、新たな治療選択肢が求められている。

 尋常性白斑は、皮膚の色素化を担うメラノサイト(色素細胞)が何らかの原因で減少・消失する後天性の疾患。尋常性白斑患者のうち84%を占める非分節型白斑(NSV)は慢性自己免疫疾患で、自己反応性の免疫細胞がメラノサイトを破壊することにより起こる。

 国内の白斑の罹患率は約0.5%~1%、約半数の患者が20歳より前に発症するとされ、男女の発症率に明確な差はない。白斑は、美容上の問題だけではなく、患者にとって身体的かつ精神的健康に大きな影響を及ぼす。

遺伝子解析でアトピー治療薬を個別化選択

アトピーへのJAKi奏効を487-GEP検査で予測、EASI-90達成率改善

 

■この記事のポイント

  • アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮膚検体を用いた487個の遺伝子発現プロファイル(487-GEP)検査を開発し、全身療法の選択をガイドする有効性を前向き試験で検証した。 
  • JAK阻害薬(JAKi)奏効プロファイル群が実際にJAKi治療を受けた場合、Th2標的療法群と比較してEASI-90達成率が有意に高く、その達成速度も3.8倍速かった。 
  • 同プロファイル群では、痒みなしを報告する割合や無再燃率も有意に改善した。

背景 現在のアトピー性皮膚炎(AD)の治療選択は疾患の分子生物学的要因を考慮しておらず、これが患者の半数で不十分な疾患コントロールの一因となっている。

目的 ADの全身療法選択をガイドするための遺伝子発現プロファイル(GEP)検査を開発し、検証すること。

方法 前向き研究で、ADまたは乾癬の病変部位の皮膚擦過検体をRNA-Seqにより解析し、湿疹面積・重症度指数(EASI)、痒み、およびフレアの頻度を含む治療内容と転帰を報告した。ADまたは乾癬の治療反応の確率を分類するために、アンサンブルアルゴリズム(487個の遺伝子を用いた12個のニューラルネットワーク、487-GEP)が開発され(n=192)、AD患者(n=110)で独立して検証された。

結果 487-GEPによりJAK阻害薬(JAKi)奏効プロファイル(30.4%)に分類され、JAKiで治療されたAD患者はTh2標的療法と比較して、有意に高いEASI-90達成率(45.5% vs. 8.3%、p=0.021)を3.8倍速く達成し(p=0.049)、痒みなしの報告(45.5% vs. 8.3%、p=0.021)、および無再燃率の向上(54.5% vs. 16.7%、p=0.041)を示した。Th2分子プロファイルを有する患者については、Th2標的療法(26.5%)またはJAKi(33.3%、p=0.728)のいずれを使用しても、EASI-90に統計的な有意差は認められなかった。

限界 検証は12歳以上の患者に限定された。

結論 487-GEPは、Th2標的療法よりもJAKiから便益を得る可能性が高いAD患者を特定する。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

円形脱毛症治療薬の比較:デウルクソリチニブが最も有効

円形脱毛症(Alopecia Areata:AA)に対する様々な単剤治療の相対的有効性と安全性を比較したネットワークメタアナリシス研究において、デウルクソリチニブ12 mgの1日2回投与が最も高い有効性を示すことが明らかになった。この研究成果は、J Cosmet Dermatol誌2025年4月号に発表された。
 

8種類のJAK阻害薬を含む体系的レビュー

本研究では、円形脱毛症に対する治療法の相対的有効性を評価するため、ヤヌスキナーゼ阻害薬(JAK阻害薬)、アプレミラスト、デュピルマブの単剤治療に関する体系的レビューが実施された。研究チームはベイズ統計を用いたネットワークメタアナリシス(NMA)を行い、Surface Under the Cumulative RAnking(SUCRA)値とペアワイズの相対効果の点推定値を算出した。分析対象となったのは、ルキソリチニブ、ATI-501、バリシチニブ、ブレポシチニブ、デウルクソリチニブ、イバルマシチニブ、リトレシチニブ、トファシチニブという8種類のJAK阻害薬の様々な投与レジメンであった。感度分析も実施され、結果の頑健性が検証された。
 

ウルクソリチニブの高い有効性

分析の結果、「24週間にわたる1日2回12 mgのデウルクソリチニブ投与」が、「24週時点でのSALT(Severity of Alopecia Tool)スコア20以下達成率(SALT₂₀)」(SUCRA = 92.6%)および「24週時点でのSALTスコア10以下達成率(SALT₁₀)」(SUCRA = 97.7%)において最も高い有効性を示した。SALT₂₀に関しては、最高ランクのレジメンは「24週間にわたる1日1回2 mgのバリシチニブ投与」と比較して有意に高い有効性を示した(オッズ比[OR] = 5.37、95%信用区間[CI] = 1.59~13.70、p < 0.05)。さらに、FDA承認済みのJAK阻害薬の有効性は用量依存的な関係を示し、例えば「24週間にわたる1日1回4 mgのバリシチニブ投与」は「24週間にわたる1日1回2 mgのバリシチニブ投与」よりもSALT₂₀において有意に高い有効性を示した(OR = 2.25、95%CI = 1.56~3.21、p < 0.05)。
 

臨床判断と診療ガイドラインへの貢献

本研究は、円形脱毛症に対する8種類のJAK阻害薬を含む様々な単剤治療の比較有効性に関する質の高いエビデンスを提供した。特に注目すべきは、FDA承認済みの薬剤であるバリシチニブ、デウルクソリチニブ、リトレシチニブを含む包括的な比較分析が行われた点である。感度分析の結果も基本分析の頑健性を支持しており、研究結果の信頼性が確認された。著者らは、これらの知見が臨床医の意思決定を改善し、医療実践のためのガイドラインの更新に貢献できると結論づけている。本研究は、円形脱毛症治療において最適な薬剤選択を行う上で重要な情報を提供するものであり、個々の患者に最も適した治療法を選択する際の科学的根拠となることが期待される。

結節性痒疹への月1回vixarelimabで用量依存的に症状改善

背景 結節性痒疹(PN)は、激しい痒みと結節形成を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患であり、患者のQOLに大きな影響を及ぼす。症状と疾患の進行の両方に対処する効果的な治療法には、いまだ満たされていないニーズがある。

目的 中等症から重症のPN参加者を対象に、月1回投与のvixarelimabの有効性、安全性、耐容性、および薬物動態を評価すること。

デザイン、設定、および参加者 この二重盲検(DB)プラセボ対照第2b相ランダム化比較試験は、2020年12月1日から2023年8月24日まで米国、カナダ、欧州、アジアの72施設で実施された。本研究には、医師によって診断された少なくとも6カ月以上の罹患期間があり、中等症から重症の痒みを有する18歳から80歳の男女の参加者が含まれた。データ解析は2023年10月から2024年3月まで行われた。

介入 16週間の二重盲検期間中、参加者は4群にランダムに割り振られた。すなわち、vixarelimab 540 mg(高用量群)、vixarelimab 360 mg(中用量群)、vixarelimab 120 mg(低用量群)、またはプラセボである。vixarelimabおよびプラセボは、4週間ごとに皮下投与された。36週間の非盲検継続投与の期間中に、全ての参加者はvixarelimab 360 mgを2週間ごとに投与された。

主要なアウトカムおよび指標 主要なアウトカムは、最悪の痒み数値評価尺度(WI-NRS)のベースラインから16週時点の変化率、WI-NRSが16週時点で4ポイント以上減少した参加者の割合、およびPN治験責任医師による全般的評価(PN-IGA)で16週時点に0または1のスコアを達成した参加者の割合とした。

結果 ランダム化された190名の参加者のうち、189名が治験薬の投与を1回以上受けた(vixarelimab群141名、プラセボ群48名)。114名(60.3%)が女性、75名(39.7%)が男性で、平均年齢(標準偏差)は55.4(13.8)歳であった。高用量vixarelimab群に47名、中用量群に47名、低用量群に47名、プラセボ群に48名が割り振られた。vixarelimabは全用量で、16週時点の平均WI-NRSスコア(標準誤差)がプラセボと比較して有意に減少した[高用量-56.2%(4.84)、中用量-51.0%(4.83)、低用量-33.0%(4.86)、プラセボ群-14.5%(4.76)]。臨床的に意義のあるポイント以上のWI-NRS減少は、プラセボ群の8名(16.7%)に対してvixarelimabの高用量群31名(66.0%)、中用量群29名(61.7%)、低用量群14名(29.8%)が達成した。PN-IGAスコアが0または1となった割合も、vixarelimab群で高かった[高用量群18名(38.3%)、中用量群14名(29.8%)、低用量群7名(14.9%)、プラセボ群5名(10.4%)]。試験期間中に致命的または重篤な薬剤関連の有害事象は報告されず、二重盲検期間中に重篤な治療関連の有害事象は観察されなかった。

結論および関連性 この第2b相ランダム化比較試験でvixarelimabは、PN患者に対して良好な安全性プロファイルとともに、迅速かつ持続的で用量依存的な臨床的有用性を示した。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

帯状疱疹ワクチン、認知症予防だけでなく進行も抑制か/Cell

 認知症の発症と進行には神経炎症が関連しており、神経向性ウイルスが認知症の発症や進行の一因となっている可能性が指摘されている。今年に入って、帯状疱疹ワクチンが認知症発症を予防する可能性があるとの報告1)があったが、同じ米国・スタンフォード大学の研究グループが、帯状疱疹ワクチン接種と軽度認知障害発症、さらにすでに認知症を発症した人の死亡リスクとの関連について調査を行い、結果がCell誌オンライン版2025年12月2日号に掲載された。

 研究者らは、ウェールズのプライマリ診療所の電子カルテのデータから1925年9月1日~1942年9月1日生まれの30万4,940例を抽出、うち認知障害歴のない28万2,557例を軽度認知障害(MCI)発症リスクの解析対象とし、すでに認知症と診断された1万4,350例を認知症関連死亡の解析対象とした。ウェールズでは帯状疱疹ワクチン接種プログラム開始時にワクチンの数に限りがあったため、開始直後に80歳の誕生日を迎えた人は1年間ワクチン接種対象となったのに対し、直前に誕生日を迎えた人は生涯にわたって対象外となり、ワクチン接種率に大きな差が出たことを利用し、接種資格の有無と、実際の接種の有無で比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・フォローアップ中にMCI発症リスク解析対象の7.3%(2万712例)がMCIと診断された。ワクチン接種資格あり群(資格あり群)ではMCI発症が1.5パーセントポイント減少し、実際にワクチンを接種した群(接種群)は3.1パーセントポイント減少した。
認知症関連死亡解析対象の49.1%(7,049例)が認知症関連で死亡した。資格あり群では認知症関連死が8.5パーセントポイント低下し、接種群は29.5パーセントポイント減少した。全死亡率においても資格あり群は6.5パーセントポイント、接種群は22.7パーセントポイント低下した。
・MCI発症リスクおよび認知症関連の死亡リスク低減効果は、女性において有意差が認められた。一方で男性では統計学的な有意差は認められなかった。
認知症の病型別では、混合型認知症において、ほかの認知症アルツハイマー型や血管性)よりも相対的な効果が高い傾向が示唆された。

 研究者らは「この研究は、帯状疱疹ワクチンが、早期のMCIから認知症の最終段階である死亡に至るまで、認知症のリスクと進行を抑制する可能性を示した初のエビデンスである。今回は生ワクチンが対象だったが、近年では組み換えワクチンが普及しており、これらが同様の認知保護効果を持つかは今後の研究で明らかにする必要がある。また本研究は、交絡因子や制度的バイアスの可能性は完全には排除できず、今後の大規模ランダム化比較試験が待たれる」とした。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov