デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

円形脱毛症患者、網膜疾患リスクが3.1倍

円形脱毛症(AA)患者は網膜疾患リスクが高いことが、台湾・国立陽明交通大学のHui-Chu Ting氏らによる検討で示された。AA患者では網膜構造の異常を認めるエビデンスが増えていたが、AAと網膜症との関連は明らかになっていなかった。 研究グループは、今回の…

抗ヘルペスウイルス薬アメナリーフ 再発性の単純疱疹の効能・用法追加を申請 マルホ

マルホは12月14日、抗ヘルペスウイルス薬アメナリーフ錠200mg(一般名:アメナメビル)について、「再発性の単純疱疹」に対する効能・効果と用法・用量追加を一変申請したと発表した。申請した効能・効果及び用法・用量は、あらかじめ処方された薬剤を患者が…

円形脱毛症と認知症リスク~コホート研究

円形脱毛症は、さまざまな併存疾患と関連しており、認知症と同様の徴候が認められる疾患である。また、円形脱毛症による心理社会的なマイナスの影響は、認知症のリスク因子である社会との関与の低下につながる可能性がある。しかし、円形脱毛症と認知症との…

尋常性乾癬患者に新薬tapinarofが有効 約500例を対象とした第Ⅲ相RCT

米・Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMark G. Lebwohl氏らは、軽度〜重度の尋常性乾癬患者約500例を対象に、アリル炭化水素受容体(AhR)を標的としたtapinarofの有効性および安全性を評価する2つの第Ⅲ相多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(RC…

活動性PsA、グセルクマブの長期有効性確認

第III相試験DISCOVER-2に参加した生物学的製剤による治療歴がない活動性乾癬性関節炎(PsA)患者739例を対象に、グセルクマブの長期有効性と安全性を検討。参加者をグセルクマブ投与と0-24週時のプラセボ投与後100週時までのグセルクマブ投与の2群に無作為化…

慢性多形紅斑、サリドマイドで66%が完全寛解達成

前治療失敗歴がある18歳以上の慢性多形紅斑(EM)患者35例(患者年齢中央値33歳、女性57%)を対象に、サリドマイドの有効性を後ろ向き多施設共同コホート研究で検討した。 その結果、6カ月時の完全寛解達成率は66%、治療中止率は14%、1回以上の再燃発生率…

アトピー性皮膚炎の重症度関連因子を特定

思春期および成人のアトピー性皮膚炎(AD)患者367例を対象に、AD重症度に関連を示す因子を横断研究で検討。湿疹面積・重症度指数(EASI)により患者を重症度別に分類し、機械学習の勾配ブースティングアプローチを用いて130個の因子とAD重症度の関連を解析…

乳児血管腫のナドロール、プロプラノロールに非劣性示す

顔面などに機能障害や容貌の損傷につながる可能性がある血管腫を有する生後1-6カ月の難治性乳児血管腫(IH)患者71例を対象に、ナドロールのβ遮断薬プロプラノロールに対する非劣性を前向き無作為化臨床試験で検討。投与は1日当たり最大2mg/kgまでの用量漸増…

BMS 乾癬治療薬デュークラバシチニブを承認申請 初の経口TYK2阻害薬

ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は11月30日、経口投与できるチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬デュークラバシチニブを日本で承認申請したと発表した。予定適応は尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症。TYK2阻害薬の国内申請は今回が初めてで、同剤が…

ベイクドミルク経口免疫療法、高い忍容性と有用性を確認

ベイクドミルク(baked milk)アレルギーの小児(3-18歳)を対象に、ベイクドミルクを用いた経口免疫療法(BMOIT)の安全性と有効性を無作為化二重盲検プラセボ対照第II相試験で検討した。 その結果、12カ月間の治療後に実施した二重盲検プラセボ対照食物負…

SLEに待望の治療薬が発売/アストラゼネカ

SLE

アストラゼネカ株式会社は、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬アニフロルマブ(商品名:サフネロー)点滴静注300mgを11月25日より販売開始した。アニフロルマブは、完全ヒト型モノクローナル抗体であり、I型インターフェロンα受容体のサブユニット1(IF…

帯状疱疹ワクチンでギラン・バレー症候群リスクが上昇

65歳以上のメディケア受給者で遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン(RZV)を接種者84万9397例と帯状疱疹生ワクチン(ZVL)接種者181万7099例を対象に、ワクチン接種後のギラン・バレー症候群(GBS)発症リスクを症例集積コホート研究で比較。さらに、メディケア…

アブロシチニブ(サイバインコⓇ)薬価収載のお知らせ

2021年11月25日、アトピー性皮膚炎に対する2つの経口JAK阻害薬も薬価収載された。ファイザーの「サイバインコ錠」(アブロシチニブ)とアッヴィの「リンヴォック錠」(ウパダシチニブ水和物)で、リンヴォックはアトピー性皮膚炎専用の30mg製剤が追加される…

重症アトピーにトラロキヌマブ+ステロイド併用が有効

経口シクロスポリンA(CSA)の効果不十分または経口CSA禁忌の重症アトピー性皮膚炎(AD)成人患者277例を対象に、トラロキヌマブ+外用コルチコステロイド薬(TCS)の有効性と安全性を26週間の多施設共同並行無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験で評価…

ワクチン接種はコロナ重症化リスクを減らすか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン接種は、COVID-19による入院ならびにCOVID-19入院患者の死亡/人工呼吸器装着への進行を有意に低下させる可能性が認められた。米国疾病予防管理センターのMark W. Tenforde氏らが、米国の21施設で実施した…

原発性腋窩多汗症治療剤「BBI-4000」、米国の第3相試験で主要評価項目達成 科研、ムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制

重症度尺度が2ポイント以上改善した被験者の割合、治療終了時の発汗重量の変化量で評価 科研製薬株式会社は10月14日、原発性腋窩(えきか)多汗症治療剤「BBI-4000(一般名:ソフピロニウム臭化物)」の導入元であるBrickell Biotech, Inc.(以下、ブリッケ…

円形脱毛症治療薬について(JAK阻害薬を中心に)

現在Phase 3進行中のBaricitinib(JAK1/2)とRitlecitinib(JAK3/TEC)ですが、どうやら効果・安全性ともにほぼ変わらなそうですね。全く同じようなプロフィールの薬ですと、Ritlecitinibが市場にでてくる必要があるかというと微妙になってきますね。同じくファ…

cSCCの転移発生率約2%、転移後5年生存率約80%

オランダで2007-08年に組織病理的に確認された初発皮膚扁平上皮がん(cSCC)患者1万1137例を対象に、転移性cSCCの累積発生率と疾患特異的生存率を全国がん登録研究で検討。転移の危険因子も調査した。 その結果、1.9%に転移が発生し、転移までの期間は中央…

悪性黒色腫への抗LAG-3抗体relatlimab+ニボルマブ、米・FDAが承認申請を優先審査対象として受理

2021年09月21日 ブリストルマイヤーズスクイブは9月21日までに、切除不能または転移性悪性黒色腫の成人および小児患者(12歳以上かつ体重40キロ以上)を対象とする、免疫チェックポイント阻害薬の抗LAG-3抗体relatlimabと抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジ…

ファイザーのコロナ飲み薬、入院・死亡リスク89%減…「パンデミック終息のゲームチェンジャー」

【ワシントン=船越翔】米製薬大手ファイザーは5日、開発中の新型コロナウイルス感染症の経口薬(飲み薬)について、臨床試験の中間結果で入院や死亡のリスクが89%減ったことを確かめたと発表した。ファイザーは緊急使用許可の申請に向け、近く米食品医…

アトピー性皮膚炎のtralokinumabに結膜炎リスク

中等症ないし重症のアトピー性皮膚炎の成人患者を対象とした無作為化プラセボ対照試験5件のデータを用いて、インターロイキン-13サイトカインに特異的に結合するヒト化免疫グロブリンG4モノクローナル抗体tralokinumabの結膜炎発生リスクを解析。最長16週間…

アトピー性皮膚炎の症状、asivatrep外用薬で改善

12歳以上の軽症ないし中等症のアトピー性皮膚炎患者240例を対象に、TRPV1拮抗薬asivatrepクリームの有効性と安全性を第III相無作為化基剤対照試験で検討(CAPTAIN-AD試験)。主要評価項目は、8週時の研究者による包括的評価(IGA)スコアが0点または1点だっ…

KMW-1、日本人熱傷患者対象の国内P3試験結果を発表 科研、第47回日本熱傷学会総会・学術集会で報告

科研製薬株式会社は10月21日、熱傷焼痂除去剤「KMW-1」について、日本人熱傷患者を対象とした国内第3相臨床試験の結果を第47回日本熱傷学会総会・学術集会で報告したことを発表した。 KMW-1は、パイナップル(Ananas comosus)の茎から抽出されるタンパク質…

ラパリムス錠 リンパ管腫に追加承認のお知らせ

この度、mTOR阻害剤「ラパリムス錠1mg」(一般名:シロリムス)について、「効能又は効果」「用法及び用量」が追加承認されました。●「効能又は効果」難治性リンパ管疾患リンパ管腫(リンパ管奇形)、リンパ管腫症、ゴーハム病、リンパ管拡張症●「用法及び用…

外陰部疣贅の新カンタリジン製品、P2結果良好

外陰部疣贅患者を対象に、カンタリジン(0.7%w/v)を含む使い捨てアプリケーター一体型製品VP-102の至適レジメン、有効性および安全性を無作為化第II相賦形剤対照試験で検討した。 用量設定を目的としたパートAの結果、被覆下での6時間および24時間の治療を…

メトトレキサート内服薬の適応外使用で通知 社会保険診療報酬支払基金、多発性筋炎・皮膚筋炎に対し

社会保険診療報酬支払基金はこのほど、多発性筋炎・皮膚筋炎の患者に対してメトトレキサート内服薬(主な製品名:リウマトレックスカプセル2mg、メソトレキセート錠2.5mg)を処方した場合、算定を認めるとする審査情報提供検討委員会の第25次審査情報提供事…

アトピー薬「KHK4083/AMG451」の有意改善を確認、P2結果 協和キリン、2022年前半にP3開始予定

協和キリンはこのほど、第30回欧州皮膚科・性病科学(EADV)オンライン会議で、米アムジェンと開発中のヒト型抗OX40モノクローナル抗体「KHK4083/AMG451」のアトピー性皮膚炎に対する第2相臨床試験(P2)のデータを報告した。投…

アトピー患者でデュピルマブ治療前後の遺伝子発現の変化を検討

中等症ないし重症のアトピー性皮膚炎(AD)患者18例と健常者17例から採取した皮膚テープストリップ検体のトランスクリプトミクス解析で、デュピルマブによる治療前後の遺伝子発現の変化および治療反応バイオマーカーを検証した。 その結果、健常群の検体に比…

デルゴシチニブ軟膏、小児ADへの有効性と安全性を確認

昨年、世界で初めてわが国で承認された、アトピー性皮膚炎(AD)に対する外用JAK阻害薬デルゴシチニブ軟膏(商品名:コレクチム軟膏)について、東京慈恵会医科大学名誉教授の中川 秀己氏らが小児(2~15歳)に対する有効性と安全性を評価した56週の第III相…

帯状疱疹生ワクチン、TNF阻害薬使用中でも安全で有効

米33施設で、腫瘍壊死因子阻害薬(TNFi)で治療中の成人に用いる弱毒化帯状疱疹生ワクチン(ZVL)の安全性と有効性を無作為化比較試験で検討。試験開始前とワクチン接種後6週間時の血清および末梢血単核細胞から、糖タンパク質酵素結合免疫吸着測定法(gpELI…