デルマニアのブログ

デルマニアのブログ

とある皮膚科医のブログです。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

リドカインによる神経ブロックで乾癬の症状が軽減 中国の小規模研究で示唆

現在広く使われている麻酔薬リドカインの脊椎注射による硬膜外ブロックが、炎症性の皮膚疾患である乾癬に有効である可能性を示唆する小規模な予備的研究の結果がこのほど明らかになった。上海交通大学医学院(中国)のHonglin Wang氏らによる研究で、詳細は…

経口投与の円形脱毛症治療薬・リトレシチニブを承認申請

ファイザーは8月25日、円形脱毛症を対象疾患とする経口JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬・リトレシチニブトシル酸塩カプセル(一般名:リトレシチニブトシル酸塩、開発コード:PF-06651600)について、日本で承認申請したと発表した。今回の申請に用いた国…

FDAが尋常性白斑での色素脱失に対する局所治療薬を初承認 対象は12歳以上の小児と成人

米食品医薬品局(FDA)は7月19日、非分節型の尋常性白斑における色素再沈着のための局所治療薬としてOpzelura(一般名ルキソリチニブ)クリームを承認した。 非分節型の尋常性白斑は、皮膚の色素細胞が減少して色素が白く抜ける皮膚疾患である。このような色…

アトピー性皮膚炎、新規抗IL-13抗体tralokinumabの長期有用性確認

中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)に対するtralokinumab(トラロキヌマブ、本邦承認申請中)の長期治療について、最長2年治療の忍容性は良好であり、ADの徴候と症状のコントロール維持が確認された。tralokinumabは、AD関連の皮膚の炎症やかゆみに関与す…

米FDAが小児乾癬性関節炎にウステキヌマブ承認 成人PsAからの適応拡大

米国食品医薬品局(FDA)は8月3日、6歳以上の小児の乾癬性関節炎(PsA)に対し、ヒト型抗ヒトIL-12/23モノクローナル抗体製剤ウステキヌマブ(商品名ステラーラ、Janssen Biotech社)を承認した。2013年の成人PsAに対する承認から適応拡大された。 6-17歳のP…

アトピー性皮膚炎に伴うそう痒治療薬・ミチーガを発売 4週間間隔で皮下投与 マルホ

マルホは8月8日、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎に伴うそう痒の治療薬・ミチーガ皮下注用60mgシリンジ(一般名:ネモリズマブ(遺伝子組換え))を発売した。成人及び13歳以上の小児に対して、ネモリズマブとして1回60mgを4週間間隔で皮下投与…

医療者のブレークスルー感染率、3回vs.4回接種

オミクロン株流行下において、感染予防の観点から医療従事者に対する4回目接種を行うメリットは実際あったのか? イスラエルでのオミクロン株感染ピーク時に、3回目接種済と4回目接種済の医療従事者におけるブレークスルー感染率が比較された。イスラエル・C…

4回接種で感染4割減 医療従事者、3回目に比べ

【ワシントン共同】新型コロナウイルスワクチンを4回接種した人は、3回の人に比べオミクロン株の感染リスクが4割減ったとの研究結果を、イスラエルのチームが2日、米医学誌に発表した。医療従事者3万人のデータを解析した。平均年齢は44歳。 利用した…

新規抗体薬litifilimab、皮膚エリテマトーデスの疾患活動性を改善/NEJM

SLE

皮膚エリテマトーデス患者の治療において、血液樹状細胞抗原2(BDCA2)のヒト化モノクローナル抗体製剤litifilimabはプラセボと比較して、治療開始から16週間後の皮膚疾患活動性の改善効果が優れ、有害事象の発生状況は同程度であることが、米国・ペンシルベ…

米FDAが尋常性乾癬に外用PDE4阻害薬承認 乾癬治療に初の非ステロイド外用薬

Arcutis Biotherapeutics社は7月29日、12歳以上の間擦部位を含む尋常性乾癬治療薬として、同社のPDE-4阻害薬roflumilast0.3%クリーム(商品名ZORYVE)が米食品医薬品局(FDA)の承認を受けたと発表した。同社によれば、roflumilastクリームは尋常性乾癬の局…

食事からのナトリウム摂取量がアトピー性皮膚炎リスクに関連 食塩摂取制限が低コストかつ安全な介入となる

食事からのナトリウム摂取量が多いとアトピー性皮膚炎リスクが高まる可能性が、米国研究皮膚科学会年次総会(SID 2022、5月18~21日、米ポートランド)で報告された。 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のMorgan Ye氏らは、1999~2000年、2001…

基底細胞がん診断でOCTがパンチ生検に非劣性

顔面のHゾーン(高リスクゾーン)以外の基底細胞がんの疑いで生検の適応がある患者598例を対象に、光干渉断層計(OCT)の使用で生検を回避できるかを無作為化非劣性試験で検討。被験者を無作為化によりOCT群とパンチ生検群に割り付けた。 その結果、治療12カ…

中等症~重症アトピーの外用薬併用、アブロシチニブvs.デュピルマブ/Lancet

中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)患者において、外用療法へのアブロシチニブ1日1回200mg併用はデュピルマブ併用と比較し、かゆみおよび皮膚症状の早期改善に優れており、忍容性は同様に良好であったことが、ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療…

サル痘予防にKMバイオの天然痘ワクチンを承認/厚生労働省

厚生労働省は8月2日のプレスリリースで、KMバイオロジクスの天然痘ワクチン(一般名:乾燥細胞培養痘そうワクチン、販売名:乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16「KMB」)に対し、サル痘予防の効能追加を承認したことを発表した。 本ワクチンのサル痘予防の効能…

医療従事者への4回目接種は有効か 岩田健太郎

研究の背景:波紋を呼ぶ「4回目接種効果なし」の報告 どうも、「4回目のワクチンは医療従事者には効かない」という意見を散見する。 根拠となっているのはNEJMに出たレターである。イスラエルからの報告で、ファイザーとモデルナのmRNAワクチン4回目の免疫原…