デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎「デュピルマブ」の治療効果、経過の層別化で予測可能に 理研ほか、研究成果は、「Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology」にオンライン掲載

抗インターロイキン(IL)-4/13受容体抗体デュピルマブは、アトピー性皮膚炎の根本治療薬として期待される一方、投与後に顔面の紅斑が残存する難治症例も報告されている。理化学研究所情報統合本部先端データサイエンスプロジェクトの芦崎晃一氏らは、人工…

アトピー治療中の紅斑に関連する因子を特定 AIモデルでデュピルマブ治療効果を高精度に予測!

抗インターロイキン(IL)-4/13受容体抗体デュピルマブは、アトピー性皮膚炎の根本治療薬として期待される一方、投与後に顔面の紅斑が残存する難治症例も報告されている。理化学研究所情報統合本部先端データサイエンスプロジェクトの芦崎晃一氏らは、人工…

アトピー性皮膚炎薬ジファミラスト、好塩基球のIL-4産生阻害で効果

東京医歯大ほか、研究成果は、「Journal of Investigative Dermatology」にオンライン掲載 2021年承認のPDE4阻害薬、治療効果の詳細メカニズムは不明だった 東京医科歯科大学は10月13日、アトピー性皮膚炎の治療薬ジファミラストが希少な免疫細胞である好塩…

アトピー/乾癬、外用PDE4iは安全かつ有効

アトピー性皮膚炎/尋常性乾癬における外用PDE4阻害薬の有効性を検討 本論文では、アトピー性皮膚炎(70例、女性52.9%)と尋常性乾癬(34例、男性58.8%)の患者を対象に、外用PDE4阻害薬の有効性および安全性を第2a相二重盲検無作為化試験で検討している。…

開発中の外用PDE4阻害薬、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬に有望

軽症~中等症アトピー性皮膚炎または尋常性乾癬患者において、開発中の外用PDE4阻害薬PF-07038124は、忍容性が良好で有効性に優れることが示された。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のLawrence F. Eichenfield氏らが海外第IIa相無作為化二重盲検比較…

アトピー性皮膚炎に伴う「かゆみ」伝達に、感覚神経のSTAT3が関与 理研ほか、研究成果は、「Cell Reports」オンライン版に掲載

かゆみ誘導に重要なIL-31、受容体発現やシグナル伝達の仕組みは未解明だった 理化学研究所(理研)は11月29日、皮膚炎に伴うかゆみの伝達に、感覚神経における転写因子「STAT3」の活性化が重要な役割を果たしていることを発見したと発表した。この研究は、同…

中高年のアトピー性皮膚炎は認知症のリスク

アトピー性皮膚炎は認知機能障害と関連することが示唆されているが、研究によって結果に一貫性が見られない。中国・The First People's Hospital of FuzhouのQi Zhou氏らは、中高年成人におけるアトピー性皮膚炎と認知機能障害の関連を評価する目的でシステ…

ネモリズマブ、6~12歳のアトピー性皮膚炎にも有用

ネモリズマブは、アトピー性皮膚炎(AD)に伴うそう痒を有し、外用薬や経口抗ヒスタミン薬で効果不十分な6~12歳の小児患者にとって、新たな治療選択肢となる可能性が示された。いがらし皮膚科東五反田院長(前NTT東日本関東病院 皮膚科部長)の五十嵐 敦之…

アトピーに伴う瘙痒に期待の新経口薬 difelikefalinの第Ⅱ相RCT

米・Icahn School of Medicine at Mount SinaiのEmma Guttman-Yassky氏らは、アトピー性皮膚炎(AD)に伴う瘙痒(AD-related pruritus)に対する経口選択的κ-オピオイド受容体作動薬difelikefalin(DFK)の有効性を検討した第Ⅱ相プラセボ対照ランダム化試験…

アトピー患者ではメラノーマの発症リスクが低下 非アトピー患者と比較してメラノーマの症例数が少なく、推定される皮膚がんリスク分類が低い

アトピーはメラノーマ発症リスクの低下と関連しているとの研究結果が、「Melanoma Research」6月号に掲載された。 東フィンランド大学(フィンランド)のJenni Komulainen氏らは、あらゆる種類の皮膚がんリスクがある成人の対象者(男性250人、女性246人、う…

成人のアトピー性皮膚炎は静脈血栓塞栓症のリスクか

アトピー性皮膚炎(AD)の成人患者は、静脈血栓塞栓症(VTE)の発症リスクが高いことが、台湾・台北栄民総医院のTai-Li Chen氏らが実施した住民ベースの全国コホート研究で示唆された。AD成人と非AD成人のVTE発症の絶対差はわずかであったが、著者は、「VTE…

乳児期アトピーの“早期治療介入”、鶏卵アレルギーの発症予防に/国立成育医療研究センター

国立成育医療研究センターの大矢 幸弘氏らの研究グループは、2023年4月10日のプレスリリースで、食物アレルギーの発症リスクが高い、乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎の乳児に対する早期の積極的治療が食物アレルギーの発症を予防することを世界で初めて実…

アトピー性皮膚炎は片頭痛の新規発症のリスク因子か 韓国の研究より

成人のアトピー性皮膚炎(AD)患者では、片頭痛を新たに発症するリスクが有意に高いという研究結果が、「Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology」2月号にリサーチレターとして掲載された。 カトリック大学校(韓国)のJi Hae Lee…

アトピー性皮膚炎患者は静脈血栓塞栓症に注意すべき? 京都大学大学院医学研究科・後藤和哉

この論文に着目した理由 アトピー性皮膚炎(AD)の疾病負荷としては、痒みや皮疹によるQOL(生活の質)の低下が注目されやすい。しかし、AD患者では炎症マーカーや血小板活性化マーカーが上昇することも知られている。この所見は静脈血栓塞栓症(VTE)の病態…

重症/治療困難なアトピー性皮膚炎、経口アブロシチニブvs.デュピルマブ

重症および/または治療困難なアトピー性皮膚炎(AD)患者において、アブロシチニブはプラセボやデュピルマブよりも、迅速かつ大幅な皮疹消失とQOL改善をもたらした。米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが、第III相無作為化試験「JADE COMPARE…

アトピー性皮膚炎、「ダニ特異的エフェクターT細胞>制御性T細胞」で発症 筑波大ほか、研究成果は、「Clinical Immunology」に掲載

アトピー性皮膚炎、健常者よりTreg数が多いのに症状があるのはなぜ? 筑波大学は5月30日、アトピー性皮膚炎患者の血液中では、アトピー症状を引き起こす方向に働くダニ特異的T細胞が、炎症を抑制する方向に働くダニ特異的制御性T細胞より多い傾向にあること…

アトピーの掻痒を抑える抗体医薬、自己注射が可能に

2023年6月1日より、抗IL-31受容体抗体ネモリズマブ(商品名ミチーガ)が在宅自己注射指導管理料の対象薬剤となり、保険診療下での在宅自己注射が可能になった。同薬はアトピー性皮膚炎に伴う掻痒に対する初の抗体医薬で、2022年8月に発売された(関連記事:…

中等-重度思春期アトピー、トラロキヌマブが有効性示す

12-17歳の中等度ないし重度のアトピー性皮膚炎患者289例を対象に、トラロキヌマブの有効性と安全性を第III相無作為化二重盲検試験で検討(ECZTRA 6試験)。16週時の医師による全般的評価スコア0または1(IGA0/1)、および湿疹面積・重症度指数75%改善(EASI…

アトピー性皮膚炎、皮脂から重症度判定 花王など、あぶらとり紙で採取した顔の皮脂を解析

花王と皮膚薬大手のマルホ(大阪市北区)は11日、重症例を含む成人のアトピー性皮膚炎(AD)患者から、あぶらとり紙で採取した顔の皮脂を解析し、ADの重症度に応じて変化する分子が皮脂中のRNA(リボ核酸)に含まれることを確認したと発表した。重…

喘息やアトピー性皮膚炎の患者は変形性関節症のリスクが高い可能性 軽度の炎症が関与?

喘息やアトピー性皮膚炎(AD)の患者は、変形性関節症(OA)のリスクが高い可能性を示すデータが報告された。米スタンフォード大学のMatthew Baker氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of the Rheumatic Diseases」に3月27日掲載された。 Baker氏は、「…

アトピーのルキソリチニブクリーム頓用が有益

アトピー性皮膚炎に対するルキソリチニブ(RUX)クリームの安全性と有効性を示した二重盲検第III相試験2件(NCT03745638およびNCT03745651)のデータを用いて、RUXクリーム頓用の長期安全性と効果を評価。参加者をRUXクリーム0.75%、1.5%、基剤に割り付け…

アトピーの早期積極治療で卵アレルギー予防 二重抗原曝露仮説を実証

乳児期に発症したアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーの発症リスクを高めるとされる。国立成育医療研究センターアレルギーセンターセンター長の大矢幸弘氏らは、アトピー性皮膚炎への早期積極治療による食物アレルギー発症予防効果を検討する多施設共同評価…

幹線道路の近くに住むとアトピー性皮膚炎のリスクが上昇か

幹線道路からどの程度離れた場所に住んでいるかがアトピー性皮膚炎のリスクに関係することが、米ナショナル・ジューイッシュ・ヘルスのMichael Nevid氏らの研究で示唆された。住んでいる場所が幹線道路から遠く離れている人では、アトピー性皮膚炎を発症する…

アトピー性皮膚炎および湿疹の発症と、「生後6か月を過ごした季節」に関連 富山大ほか、研究成果は「BMC Pediatrics」に掲載

生後1歳までのアトピー性皮膚炎と湿疹について検討 富山大学は3月2日、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の参加者を対象に、生まれた季節と乳児期に発症する湿疹およびアトピー性皮膚炎の関連を調査し、春生まれと比較して、「秋生ま…

デュピルマブ、紅皮症性アトピー性皮膚炎にも有効

紅皮症性アトピー性皮膚炎(AD)は、広範な皮膚病変によって定義され、合併症を引き起こし、場合によっては入院に至る重症ADである。米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らは、デュピルマブの有効性と安全性を検討した6つの無作為化比較試験の事後…

アトピー性皮膚炎にlebrikizumab+外用ステロイドが有効

中等症ないし重症のアトピー性皮膚炎(AD)の思春期児および成人患者211例を対象に、抗IL-13抗体lebrikizumab(LEB)とステロイド外用薬(TCS)併用の有効性および安全性を16週間の無作為化二重盲検プラセボ(PBO)対照多施設共同第III相臨床試験で検討(Adh…

アトピー性皮膚炎、抗IL-13抗体薬のステロイドへの上乗せは有用か?

中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)の青少年・成人患者において、インターロイキン13(IL-13)をターゲットとする高親和性モノクローナル抗体lebrikizumab(LEB)と局所コルチコステロイド(TCS)の併用は、TCS単独と比べてアウトカムの改善が認められた。…

2歳までのアトピー性皮膚炎は幼児期の神経発達障害リスクと関連

この論文に着目した理由 これまで小児および成人において、うつ病、不安、注意欠陥・多動症(ADHD)などの精神疾患とアトピー性皮膚炎(AD)との関連が報告されています。今回紹介する論文は、韓国の国民健康保険サービス(National Health Insurance Servic…

ペリオスチン阻害剤、アトピー性皮膚炎モデルマウスの炎症と痒みを軽減

富山大ほか、研究成果は、「PLOS ONE」にオンライン掲載 アトピー性皮膚炎の強い痒みに対する原因は未解決、治療薬が望まれる 富山大学は1月10日、アトピー性皮膚炎モデルマウス(FADS マウス)を用いて、ペリオスチンが知覚神経に作用して痒みを引き起こし…

生後1歳まで保湿剤を毎日塗布してもアトピー性皮膚炎予防に効果なし

はじめに 生後間もなく開始した保湿剤による皮膚バリア強化の効果は? 今回紹介するのは、アトピー性皮膚炎(AD)および湿疹に対する保湿剤の予防効果を検討した論文です。生後1年間にわたって保湿剤を毎日使用することが、5歳までのADとその他のアレルギー…