デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

2022-01-01から1年間の記事一覧

セマグルチドは青少年の肥満治療にも有効か?

GLP-1受容体作動薬のセマグルチドは、2型糖尿病治療薬として開発されたが、肥満を伴う成人の糖尿病患者では、減量効果ももたらすことが報告されている。未成年の肥満患者にも同様に有効かを調べるために行われたのがこの研究だ。 対象は12歳以上18歳未満の過…

夜食べると太る原因が明らかに グレリンやレプチン、深部体温などが変化

夜の遅い時間帯に食事を食べると太りやすくなる原因の一端が、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院およびハーバード大学医学大学院のFrank Scheer氏らの研究により明らかになった。食事の時間帯が遅いと、食欲関連ホルモンや深部体温、脂肪貯蓄などに変化が…

インセンティブで減量達成率が上昇 米・低所得地域の肥満者を対象としたRCT

減量に向けた運動などの行動目標の達成状況に応じて金銭的報酬を支払う目標指向型(goal-directed design)、または達成できた体重減少率に応じて金銭的報酬を支払うアウトカムベース型(outcome-based design)のインセンティブが、肥満者の減量に有効であ…

中等症~重症アトピー性皮膚炎、抗OX40抗体rocatinlimabの効果/Lancet

中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)の成人患者に対し、開発中のヒト型抗OX40モノクローナル抗体rocatinlimabは、プラセボと比較して症状スコアの有意な改善を示し、投与終了後もほとんどの患者で改善が維持された。忍容性は良好であった。米国・マウント…

進行悪性黒色腫、TIL療法でPFSが延長/NEJM

進行悪性黒色腫の治療において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた養子免疫細胞療法は、抗細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)抗体であるイピリムマブと比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長させ、病勢進行と死亡のリスクが半減したとの研究結果が、…

がんワクチン、ペムブロリズマブ併用でメラノーマの死亡リスク44%低下 /MERCK

米医薬品のモデルナとメルクは13日、新型コロナウイルスワクチンで使用されたメッセンジャーRNA(mRNA)技術を活用したがんワクチンに関する中期臨床試験で、メラノーマ(黒色腫)治療で有効性が示されたと発表した。 www.merck.com (function(b,c,f,g,a,d,e…

bDMARD未治療の乾癬性関節炎、ビメキズマブの有効性は?/Lancet

生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)による治療歴がない乾癬性関節炎患者において、ビメキズマブはプラセボと比較して、16週時の関節、皮膚、画像的な有効性アウトカムについて有意な改善が認められた。真菌感染の発現を含むビメキズマブの安全性プロ…

ビメキズマブが乾癬性関節炎の症状を改善 第Ⅲ相ランダム化試験BE OPTIMAL

英・University of GlasgowのIain B. McInnes氏らは、生物学的製剤による治療歴のない乾癬性関節炎患者1,163例を対象に、抗インターロイキン(IL)-17抗体ビメキズマブの有効性と安全性を評価する第Ⅲ相ランダム化比較試験BE OPTIMALを実施。プラセボ投与群と…

帯状疱疹の既往で長期的な脳卒中・冠動脈疾患リスクが増大

帯状疱疹と脳卒中および冠動脈疾患の関連を検討したところ、帯状疱疹の既往が脳卒中および冠動脈疾患の長期的なリスクを高め、そのリスクは帯状疱疹発症から12年以上継続する可能性があることを、米国・Brigham and Women's HospitalのSharon G. Curhan氏ら…

血中デュピルマブ値と治療反応、有害事象は関連するか?

デュピルマブ治療を受けるアトピー性皮膚炎(AD)成人患者の治療反応および有害事象は、血中デュピルマブ値と関連しているのか。オランダ・ユトレヒト大学のLotte S. Spekhorst氏らは、前向きBioDayレジストリのデータを利用した臨床前向き観察コホート試験…

アトピーの発症年齢に遺伝が関与

これまで、アトピー性皮膚炎(AD)の発症にはフィグリン(FLG)遺伝子変異などの遺伝的要因が関与することが報告されているが、遺伝的要因と発症年齢との関係についてはほとんど研究されていない。理化学研究所生命医科学研究センターファーマコゲノミクス研…

夜食べると太る原因が明らかに グレリンやレプチン、深部体温などが変化

夜の遅い時間帯に食事を食べると太りやすくなる原因の一端が、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院およびハーバード大学医学大学院のFrank Scheer氏らの研究により明らかになった。食事の時間帯が遅いと、食欲関連ホルモンや深部体温、脂肪貯蓄などに変化が…

白斑に対する局所治療薬、2件の臨床試験で有望な結果 約半数の対象者が1年後に顔で75%以上、全身で50%以上の色素を取り戻す

皮膚の色素が失われる疾患である尋常性白斑(以下、白斑)に罹患した何百万人もの人にとって、外用薬のルキソリチニブクリーム(商品名Opzelura)がゲームチェンジャーとなりつつある。2件の第3相臨床試験により、このクリーム剤を使用した白斑患者の約半数…

日本人アトピー性皮膚炎、発症年齢の遺伝基盤を解明 理研ほか、研究成果は、「Journal of Investigative Dermatology」に掲載

BBJ登録のアトピー性皮膚炎患者1,344人を対象に、発症年齢との遺伝的関連を解析 理化学研究所は11月21日、2021年に発表したアトピー性皮膚炎を対象にした最大規模のゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果を用いて、日本人のアトピー性皮膚炎の発症年齢の遺伝基…

コロナワクチンで帯状疱疹リスクは上がるのか~大規模調査

新型コロナワクチン接種後に帯状疱疹が発症した症例が報告されているが、ワクチンによって帯状疱疹リスクが増加するのかどうかは不明である。今回、新型コロナワクチン接種が帯状疱疹リスク増加と関連するかどうかについて、米国・カリフォルニア大学サンフ…

新薬16成分20品目が薬価収載 ソーティクツやテゼスパイアなど5成分6品目が即日発売

新薬16成分20品目が11月16日、薬価収載された。このうち、乾癬治療薬・ソーティクツ錠6mg(ブリストル マイヤーズ スクイブ)や重症・難治性気管支喘息治療薬・テゼスパイア皮下注210mgシリンジ(アストラゼネカ)、ドラベ症候群に伴うてんかん発作治療薬・…

喫煙と乾癬は因果関係にある 中国の研究

乾癬は、喫煙とは因果関係にあるが、アルコールの摂取とは関連しないという研究結果が、「British Journal of Dermatology」に6月28日掲載された。 アルコール摂取と喫煙は乾癬リスクと関連することが報告されている。しかし、それらの因果関係に関する質の…

一部の黒色腫に術前ペムブロリズマブが有効 Cancer Currents――米国立がん研究所(NCI)ブログ

悪性黒色腫の治療は、おそらく他のどのがんよりも、この10年間で大きく変貌を遂げた。そして、米国国立がん研究所(NCI)が資金提供した臨床試験の初期の結果に基づき、悪性度が高いことの多い、このタイプの皮膚がんに対する新たな治療法の強化が目前に迫っ…

甘い飲み物でがん死リスク上昇の可能性 人工甘味料入り飲料も有意

甘い飲み物を過剰に摂取すると、がんによる死亡が増える可能性を示唆するデータが報告された。米国がん協会(ACS)のMarjorie McCullough氏らの研究によるもので、詳細は「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」10月号に掲載された。論文の筆頭著…

9価HPVワクチン、来年4月1日から定期接種へ

厚生労働省厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会は、2022年11月8日、9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期接種を2023年4月1日から開始する方針を了承した。 9価HPVワクチンは、2022年10月4日の同部会にて定期接種化が了承…

新生児への毎日の保湿剤、アトピー性皮膚炎を予防しない

生後1年間、保湿剤を毎日塗布しても、アトピー性皮膚炎への予防効果は認められなかったことが、英国・ノッティンガム大学のLucy E. Bradshaw氏らが行った無作為化試験「Barrier Enhancement for Eczema Prevention(BEEP)試験」の結果、示された。食物アレ…

2021年に世界で最も売れた薬は?

2021年に世界で最も売れた医薬品は、前年に続いて米アッヴィの抗TNFα抗「ヒュミラ」だったことが、米IQVIAのまとめでわかりました。2位は米ブリストル・マイヤーズスクイブと米ファイザーの抗凝固薬「エリキュース」、3位は米メルクの免疫チェックポイント阻…

遺伝性血管性浮腫のまとめ

少しまとめておきます。 遺伝性血管浮腫 常染色体優性遺伝 日本人の患者数…約2,500人 1型(85%): C1-INH低下 C1-INH機能低下 2型(15%): C1-INH正常 C1-INH機能低下 (C1-INH蛋白定量検査で1型と鑑別) 3型(まれ): C1-INH正常 C1-INH機能正常 その他遺伝子異常あ…

ルキソリチニブクリーム、白斑に有効/NEJM

白斑に対するJAK阻害薬ルキソリチニブ(本邦では骨髄線維症、真性多血症の適応で承認)のクリーム製剤は、基剤クリーム(対照)よりも病変部の再色素沈着を拡大したことが示された。安全性については最も多く報告された有害事象は、塗布部におけるにきびやか…

COVID-19と帯状疱疹の関係

帯状疱疹は、加齢に伴う免疫機能の低下などにより、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化することで発症する疾患です1)。なお、50歳以上のVZV抗体保有率は100%であったとの報告もあり2)、50歳以上の人は帯状疱疹の発症リスクがあるといわれています。こう…

透析患者における、波ごとの致死率

ウパダシチニブは青年期の成長を阻害しない

上記、影響しないという旨の論文がでました。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript ||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(…

炎症性腸疾患患者で乾癬リスク増加 逆因果関係は認められず

ドイツ・University of AugsburgのDennis Freuer氏らは、炎症性腸疾患(IBD)、特にクローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)と、乾癬および乾癬性関節炎との関連の評価を目的に、ゲノムワイド関連研究(GWAS)のデータを解析。IBDは乾癬および乾癬性関節炎の危…

屋内日焼け装置に関連する皮膚がんの発症を防ぐための政策的介入の費用対効果

屋内日焼け装置の使用は、メラノーマやその他の皮膚がんの原因となる可能性があり、それらの罹患率、死亡率、医療費の増加につながる。政策立案者は、このような負担を軽減するため、屋内日焼け装置の使用を禁止する可能性について、意思決定に資する信頼で…

デュピルマブ、6歳未満のアトピー性皮膚炎にも有効/Lancet

6歳未満のアトピー性皮膚炎患児の治療において、インターロイキン(IL)-4とIL-13を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体デュピルマブはプラセボと比較して、皮膚症状や徴候を有意に改善し、安全性プロファイルも許容範囲であることが、米国・ノースウェ…