デルマニアのブログ

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虚血性脳卒中の治療を受けたCOVID-19患者は頭蓋内出血率が高い ポルトガルの研究

 新型コロナウイルス感染症COVID-19)に罹患した急性虚血性脳卒中患者は、血行再建治療後に頭蓋内出血を合併する率の高いことが、「Neurology」に11月9日報告された。

 エガス・モニス病院(ポルトガル)のJoão Pedro Marto氏らは、2020年3月から2021年6月の間に急性虚血性脳卒中に対する経静脈的血栓溶解療法(IVT)か血管内治療(EVT)を受けた患者を対象に、COVID-19の診断と頭蓋内出血および臨床的転帰との関連を検討した。

 対象者とされた105施設の患者1万5,128人のうち、853人がCOVID-19と診断され、5,848人(38.7%)がIVTのみ、9,280人(61.3%)がEVT(IVT併用あり/なしを含む)を受けた。症候性頭蓋内出血(SICH)、症候性くも膜下出血(SSAH)、SICHおよび/またはSSAH、24時間死亡率、3カ月死亡率はいずれもCOVID-19患者で高かった(調整オッズ比は同順で、1.53、1.80、1.56、2.47、1.88)。さらにCOVID-19患者では、3カ月後の修正ランキンスケールスコア分布が悪化していた(オッズ比1.42)。