デルマニアのブログ

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帯状疱疹予防ワクチン・シングリックス 発症リスク高い18歳以上への拡大を一変申請 GSK

 グラクソ・スミスクラインは6月28日、帯状疱疹予防ワクチン・シングリックス筋注用について、接種対象者を帯状疱疹の発症リスクが高い18 歳以上に拡大するための一変申請を行ったと発表した。現在は50歳以上の成人を対象としている。

 今回の接種対象者拡大の申請は、造血幹細胞移植や腎移植を受けた、あるいは血液がん固形がんHIV感染症に罹患している18歳以上の患者を対象としたシングリックスの6つの臨床試験結果に基づく。免疫力低下状態にあったり、慢性疾患を有する18歳以上の日本人成人において帯状疱疹の発症率は高く、帯状疱疹後神経痛などの関連合併症を発症するリスクも高くなる。18歳以上の日本人成人のデータを用いたレトロスペクティブ・コホート研究では、年齢に関わらず女性において帯状疱疹を発症するリスクが高く、そのリスクは年齢とともに高くなることが示されている。

 シングリックスは、50 歳以上の成人を対象とした帯状疱疹予防ワクチンとして2018年に承認された。筋肉内に2回接種する、生ワクチンではない遺伝子組換え型アジュバント添加サブユニットワクチン。抗原である糖タンパクEおよびアジュバントであるAS01Bを組み合わせたもので、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に特異的な免疫反応を誘導することを目的としており、加齢に伴うVZVに対する免疫低下を防ぐことを助ける。