デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

デュピルマブを処方された小児アトピー性皮膚炎患者において、従来の免疫調節療法と比較してアトピーマーチのリスクが減少した:集団ベースのコホート研究

背景

デュピルマブはアトピー性皮膚炎(AD)を効果的に治療するが、アトピーマーチの阻止におけるその役割は不明である。小児AD患者のアトピーマーチに対するデュピルマブの効果を、従来の免疫調節薬と比較して検討する。

方法

この後向きコホート研究は、TriNetX US Collaborative Network(2011〜2024年)のデータを利用した。小児AD患者(18歳以下)をDUPIコホート(デュピルマブが新規に処方された)とCONVコホート(デュピルマブを含まない従来の免疫調節薬が処方された)に分類した。1対1の傾向スコアマッチング後、喘息またはアレルギー性鼻炎(AR)の発症で定義されるアトピーマーチの進行を解析した。累積罹患率はKaplan-Meierを用いてプロットし、Cox回帰によるリスク評価を行った。

結果

コホートには2192人の患者が含まれた。アトピーマーチの3年累積発症率は、DUPIコホートの方がCONVコホートよりも低かった(20.09% vs 27.22%;P<0.001)。DUPIコホートでは、アトピーマーチの進行(ハザード比[HR]0.68、95%CI 0.55-0.83)、個々の喘息(HR 0.60、0.45-0.81)、および個々のAR(HR 0.69、0.54-0.88)において有意なリスク低下が認められた。デュピルマブを投与された若い患者ほど、アトピー性喘息の進行と個々の喘息のリスク減少が大きかった。観察研究。小児AD患者において、デュピルマブは従来の治療と比較してアトピーマーチの進行リスクの減少と関連していた。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov