デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

デュピクセントで「特発性の慢性蕁麻疹」の効能追加を一変申請 サノフィ

 サノフィは3月31日、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体デュピクセントについて、特発性の慢性蕁麻疹(CSU)の効能追加を一変申請したと発表した。CSUの治療には抗ヒスタミン薬が用いられるが、症状のコントロールが得られない患者は多く、他の治療選択肢も限られている。標準治療を受けても持続する痒みや灼熱感などの症状を経験することが多く、アンメットメディカルニーズが存在している。

 CSUは、膨疹や皮下深部の浮腫が突然現れることを特徴とする慢性炎症性皮膚疾患。発症の原因が特定されない中、症状発現の時期も予見できず、消耗し、QOLが著しく低下することもある。

 同剤はIL-4とIL-13の作用を阻害する抗体製剤。IL-4とIL-13は2型炎症において中心的な役割を果たすタンパク質で、2型炎症はアトピー性皮膚炎気管支喘息などと同様に、CSUにも関与していることが示されている。

 今回の申請は、国際共同第3相臨床試験であるランダム化プラセボ対照二重盲検試験のCUPID試験の結果に基づく。試験Aは、標準治療であるH1抗ヒスタミン薬で症状の改善が得られなかった中等症~重症のCSU患者を対象に実施した。試験Bは、オマリズマブに抵抗性を示し、抗ヒスタミン薬では十分な効果が得られない患者を対象に実施した。

 同社は、「免疫領域において、引き続き日本の患者さんに希望をお届けできるよう鋭意努力し、患者さんとその家族や医療関係者へ更なる貢献をしていく」としている。