製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)は25日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの安全性や効果を調べるため、国内で初めて人に投与する治験を始めると発表した。大阪市立大の審査委員会が計画を承認し、正式に実施が決まった。アンジェスは被験者を募集し、近く投与を始める。
感染や重症化を防げる安全性の高いワクチンだと治験で示すことができれば、来年春から秋には国の製造販売承認を取得したいとしている。
アンジェスによると、使うのはDNAワクチンと呼ばれるタイプで、ウイルス表面にある「スパイクタンパク質」を作る遺伝子を投与する。体内でこのタンパク質が作られ、免疫がその特徴を覚えて抗体ができる。ウイルスが侵入すると、抗体が結合し感染や重症化を防ぐと期待される。
計画では、新型コロナウイルスに感染歴がないなどの条件を満たす健康な成人を対象に、投与量の多いグループと少ないグループ各15人に、2回ずつ筋肉注射する。重大な副作用がないなど安全性が確認されれば、秋には次の段階の試験として対象を400人規模に拡大。十分に抗体ができるかどうか確かめる。
スパイクタンパク質はウイルスが細胞への侵入に使う部品で、これ自体が感染症を引き起こす可能性はないとみられる。ラットを使った動物実験では抗体ができることが確認されたという。
ただ、抗体ができても抵抗力がつくのか、どれくらい持続するのかは詳しく分かっていない。ワクチン接種後にウイルスに感染すると、かえって重症化する「抗体依存性感染増強」という現象が起こるリスクもある。
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コメント:
国内のベンチャー企業からもCOVID-19のワクチンの治験が開始となりました。
良い結果がでることを期待します。