デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

サル痘、2022年4-6月の症例報告

 2022年4月27日から6月24日までに16カ国43施設で診断されたサル痘ウイルス感染症患者528例(年齢中央値38歳)について、臨床症状や転帰が報告された。

 感染者の98%がゲイ・バイセクシュアル男性、75%が白人、41%がヒト免疫不全ウイルス感染症だった。感染者の95%で性行為による伝播が疑われた。95%に発疹、73%に肛門生殖器病変、41%に粘膜病変が見られた。発疹に先行する全身症状として多かったのは、発熱(62%)、嗜眠(41%)、筋肉痛(31%)、頭痛(27%)だった。リンパ節腫脹も多く見られた(56%)。検査した377例中109例(29%)が性感染症を併発していた。明らかな曝露歴のある23例の潜伏期間中央値は7日だった。精液を分析した32例中29例からサル痘ウイルスDNAが検出された。全体の5%に抗ウイルス療法を実施し、70例(13%)が入院した。死亡は報告されなかった。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov