デルマニアのブログ

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帯状疱疹は心血管疾患リスクの上昇と関連 帯状疱疹の既往のない人と比較して脳卒中や冠動脈性心疾患の長期リスク高

 帯状疱疹は心血管イベントの長期リスクの上昇と関連しているとの研究結果が「Journal of the American Heart Association(JAHA)」12月6日号に掲載された。

 米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のSharon G. Curhan氏らは、Nurses' Health Study(NHS)に登録された女性7万9,658人、Nurses' Health Study II(NHS II)に登録された女性9万3,932人、Health Professionals Follow-up Study(HPFS)に登録された男性3万1,440人を対象に、帯状疱疹脳卒中または冠動脈性心疾患CHD)の長期リスクとの経時的関連性を検討した。

 その結果、200万人年を超える追跡期間中に、3,603人が脳卒中を、8,620人がCHDを初めて発症した。帯状疱疹の既往は、脳卒中とCHDの長期リスク上昇に独立して有意に関連した。帯状疱疹の既往がない人と比較した脳卒中の多変量調整ハザード比(95%信頼区間)は、帯状疱疹の発症から1~4年経過した患者で1.05(0.88~1.25)、5~8年で1.38(1.10~1.74)、9~12年で1.28(1.03~1.59)、13年以上で1.19(0.90~1.56)であった。同様にCHDの多変量調整ハザード比(95%信頼区間)は、帯状疱疹の発症から1~4年で1.13(1.01~1.27)、5~8年で1.16(1.02~1.32)、9~12年で1.25(1.07~1.46)、13年以上で1.00(0.83~1.12)であった。

 著者らは「今回の知見は、帯状疱疹には長期的影響があることを示唆しており、予防のための公衆衛生の取り組みの重要性を強く示している」と述べている。

 なお、数人の著者が、本研究に一部資金を提供したGlaxoSmithKline Biologicals社を含む製薬企業および医療技術企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。