米製薬大手イーライリリー日本法人は26日、アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」に関し、厚生労働省に製造販売の承認申請を完了したと発表した。病気の原因に働きかける仕組みの「疾患修飾薬」と呼ばれる新しいタイプのアルツハイマー病薬で、承認されれば製薬大手エーザイなどが開発した「レカネマブ」に次いで2例目となる。
ドナネマブは脳内に蓄積し、病気の原因になるとされる有害タンパク質「アミロイドベータ」に結合し除去する抗体薬。アルツハイマー病による軽度認知症患者と、その前段階の軽度認知障害の人を対象としている。4週間に1回点滴する。
臨床試験(治験)では、対象患者ら1182人のデータを解析したところ、ドナネマブを投与した人は偽薬を投与した人に比べて、1年半後の時点で認知機能や日常生活を送る能力の低下を35%抑えられた。
一方、投与した人の3割以上で微小な脳出血などがみられた。
イーライリリーは7月、米食品医薬品局(FDA)への承認申請を終えたと発表、年内に米当局から承認可否を判断される見込みという。
厚労省は25日、国内初のアルツハイマー病に対する疾患修飾薬としてレカネマブを承認していた。
リンク