デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

米FDAが進行全身性肥満細胞症にavapritinib承認 稀な血液疾患に分子標的薬

 米国食品医薬品局(FDA)は6月16日、侵襲的全身性肥満細胞症(ASM)、関連する血液腫瘍を伴う全身性肥満細胞症(SM-AHN)、マスト細胞性白血病(MCL)を含む成人の進行全身性肥満細胞症(AdvSM)に、キナーゼ阻害薬avapritinib(商品名Ayvakit、Blueprint Medicines社)を承認した。

 avapritinibの有効性は、AdvSM患者を対象とした多施設共同単群非盲検臨床試験EXPLORER」および「PATHFINDER」で検証されている。有効性の主要評価項目は、修正 IWG-MRT-ECNM(国際作業部会-骨髄増殖性腫瘍の研究と治療および肥満細胞症に関する欧州競争ネットワーク)基準に基づいて中央委員会が判定した全奏功率(ORR)に規定し、奏効期間(DOR)、奏効までの期間なども評価項目に規定した。この試験では被験者53例に対しavapritinibを最大200mgまで毎日投与した。

 試験2件で効果判定が可能だった53例の被験者全体のORRは57%で、完全寛解が28%、部分寛解が28%で得られた。奏効期間の中央値は38.3カ月で、奏効までの期間の中央値は2.1カ月だった。

 AdvSM患者によく見られた有害反応(20%以上)は浮腫下痢嘔吐倦怠感/無力感だった。avapritinibは、血小板数が50×109/L未満のAdvSM患者には推奨されない。なお、今回の承認申請は、FDAによる優先審査、画期的新薬、オーファンドラッグの指定を受けた。

 

www.fda.gov