背景
水疱性類天疱瘡患者の末梢血や皮膚病変では、制御性T細胞(Treg)が減少している。低用量IL-2療法はTregを特異的に刺激することができ、水疱性類天疱瘡の治療の可能性を示唆している。中等度から重度の水疱性類天疱瘡の治療における低用量IL-2療法の反応を評価する。
方法
中等症から重症のBP患者43人を対象とした。治療は、対照群には免疫抑制剤を併用し、中等症には初期用量0.5mg/kg/d、重症には1.0mg/kg/dの全身性副腎皮質ステロイドを、治療群には同副腎皮質ステロイドに加え、IL-2(50万IU)を1日おきに8週間皮下投与した。
結果
主要アウトカムは、病勢コントロールに要した日数であった。副次的アウトカムはその他の臨床的反応であった。治療群で病勢コントロールに要した日数は(7.60±3.00)であり、対照群(10.43±3.06)よりも短かった(p=0.008)。副腎皮質ステロイドの総投与量も少なく,重篤な感染症も認められなかった。本試験は、中等症から重症のBP患者に対する低用量IL-2療法の可能性を支持するものであり、早期に治療効果が認められた。