デルマニアのブログ

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「薬剤リンパ球刺激試験」陽性の関連因子 横浜市立大皮膚科・薬疹患者の検討

横浜市立大学皮膚科の川村飛翔氏らは、同科で原因薬剤を特定した薬疹患者を対象に薬剤リンパ球刺激試験(DLST)の陽性と関連する因子を後ろ向きに探索。重症度の高い臨床型や肝機能・腎機能障害がある薬疹患者では、DLST陽性率が高まる傾向があると、第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で報告した。

SJS/TENとDIHSの約6割が陽性

 川村氏らはDLST陽性と関連する因子を明らかにするため、2018~21年に横浜市立大学皮膚科でDLSTを施行した薬疹患者のうち原因薬剤が特定できた薬疹患者を対象に後ろ向きに探索した。

 その結果、約3割がDLST陽性だった。薬疹の臨床型別に見ると、DLST陽性率はStevens-Johnson症候群(SJS)/中毒性表皮壊死症(TEN)例と薬剤性過敏症症候群(DIHS)例で約6割と高かった。薬剤別に見ると、DLST陽性率は消炎鎮痛薬と抗てんかん薬使用例で約5割と高く、消化器用薬で低かった。

ALT、Cre高値が陽性と、PSL投与量、PPIは陰性と関連

 全データがそろった症例を対象に、①薬疹発症からDLST測定までの日数、②薬剤別、③薬疹の臨床型、④薬疹発症時の血液データ、⑤DLST測定時のプレドニゾロン(PSL)投与量、⑥免疫チェックポイント阻害薬投与の有無―を変数候補としてロジスティック回帰分析を行った。

 その結果、DLST陽性に関連する因子として、発症後17~90日、薬疹発症時のALT高値、クレアチニン(Cre)高値が挙げられた。一方、陰性に関連する因子としては、DLST施行時のPSL投与量が多い、好酸球数の割合が多いが同定された。また、薬剤別ではプロトンポンプ阻害薬PPI)、臨床型では播種状紅斑丘疹(MP)型が陰性に関連する因子として抽出された。

 以上から、川村氏は「DLST陽性と関連する新たな因子が明らかになった」と述べた。さらに「DLSTの測定時期として、薬疹発症から2週間~3カ月後が適している可能性が示唆された。重症度の高い臨床型〔多形浸出性紅斑(EM)、SJS/TEN、DIHS〕や肝機能・腎機能障害がある薬疹患者では、DLST陽性になりやすい傾向が見られた。また、PSL投与量と好酸球数の割合の増加に応じて、DLST陽性率が有意に低下することも明らかになった。DLST施行時は、陽性に関連する因子を考慮することで、効率的に原因薬剤を推定できると考えられる」とまとめた。