デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ロシアの新型コロナワクチン、第I/II相試験で抗体陽転率100%/Lancet

ロシアのGamaleya National Research Centre for Epidemiology and Microbiologyで開発されている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの第I/II相試験の結果が、Lancet誌オンライン版2020年9月4日号に掲載された。本ワクチンは、組換えアデノウイルス血…

尋常性乾癬へのbimekizumab、60週まで高い奏効率を維持

中等症ないし重症尋常性乾癬患者を対象に、IL-17AおよびIL-17Fの活性を中和するモノクローナル抗体bimekizumabの長期有効性と安全性を検討。12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相試験(BE ABLE 1試験)で乾癬面積重症度指数90%以上改善(PASI 90)…

SARS-CoV-2変異株、重症度が変化/Lancet

遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)8領域に382ヌクレオチド欠損(Δ382)を認める新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異体の感染者は、症状が軽症であることが明らかにされた。シンガポール・国立感染症センターのBarnaby E. Young氏らによる観察コ…

チルドラキズマブ(イルミア®)の薬価収載について

乾癬に対する10剤目のバイオ、チルドラキズマブ(イルミア®)が8月26日に薬価収載され、臨床使用が可能となりました。12週間隔で、お値段は487,413円です。同じIL-23阻害薬で12週間隔のスキリージは1回あたり487,614円なのでほぼ同じですね。

2020年8月、キイトルーダ®に「400mg 6週間間隔投与」が追加承認されました。

6. 用法及び用量 〈悪性黒色腫〉通常、成人には、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)として、1回200mgを3週間間隔又は1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。 www.msdconnect.jp コメ…

ピーナツアレルギー経口免疫療法薬AR101、P3で有効性確認

欧州7カ国で4-17歳のピーナツアレルギー患者175例を対象に、生物学的経口免疫療法薬AR101の有効性を二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験で検討(ARTEMIS試験)。AR101は6カ月間で2週ごとに300mgまで増量し、3カ月間維持投与した。 その結果、9カ月間の…

白斑治療、JAK阻害薬のクリーム剤が有望

白斑は慢性の自己免疫疾患で、皮膚の脱色とともに生活の質の低下をもたらす。白斑には承認された治療薬がなく、現行の適応外療法の効果は限定的である。改善された治療の開発が待たれる中、JAK阻害薬ルキソリチニブ(本邦では骨髄線維症、真性多血症の適応で…

進行悪性黒色腫のペムブロリズマブ、変異の有無を問わず有効

進行悪性黒色腫の国際共同試験3件(KEYNOTE-001、KEYNOTE-002、KEYNOTE-006)の事後サブグループ解析を実施。BRAF V600E/K変異の有無を確認し、ペムブロリズマブを投与した患者1558例を対象に、BRAF V600E/K変異と前治療が転帰に及ぼす影響を検討した。 その…

ワクチン初期試験で抗体 ファイザーが開発

【ワシントン共同】米製薬大手ファイザーのチームは12日、開発中の新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種した人に、ウイルスに対抗する抗体ができたとする臨床試験の初期成果を英科学誌ネイチャーに発表した。 ワクチンはドイツのバイオテクノロジー企…

中等~重症アトピー性皮膚炎へのabrocitinib、第III相試験結果/Lancet

中等症~重症アトピー性皮膚炎の青年および成人患者の治療において、経口選択的JAK1阻害薬abrocitinibの1日1回投与は、プラセボに比べ有効性が優れ、忍容性も良好であることが、米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが行った「JADE MONO-1試験」…

ミューズ細胞による表皮水疱症治験で主要評価項目達成

三菱ケミカルホールディングス傘下の生命科学インスティテュート(東京都)は29日、再生医療製品「Muse(ミューズ)細胞」を表皮水疱症の治療に用いる臨床試験で、主要な評価項目を達成できたと発表した。安全性に問題はなく、設定した有効性目標もク…

アクテムラ、新型コロナ重症に有効性示せず

スイス・ロシュは29日、中外製薬が創製した抗体医薬「アクテムラ」を新型コロナウイルス感染症治療薬として開発する臨床試験で、主要評価項目を達成しなかったと発表した。重症患者を対象に欧米で行った試験で、肺炎症状や死亡率を有意に改善するデータが…

デュピルマブ(デュピクセント®)の治験状況(2020年7月現在)

アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎へ適応を持つデュピクセントの治験状況です。 デュピルマブは現在、・結節性痒疹・慢性特発性蕁麻疹・水疱性類天疱瘡・好酸球性食道炎・COPDに対しいずれも第3相治験中です。 https://www.sanofi.…

尋常性乾癬へのroflumilastクリーム、第2相試験結果良好

尋常性乾癬患者331例を対象に、PDE-4阻害薬roflumilastクリームの効果を第IIb相試験で検証した(ARQ-151 201試験)。 その結果、6週時に治験責任医師が判定した全般的評価(IGA)の「消失」または「ほぼ消失」達成率は基剤クリーム群8%、rofulumilast 0.3%…

慢性手湿疹患者におけるデルゴシチニブ軟膏(コレクチム軟膏®)の有効性

慢性手湿疹の治療管理は依然として課題があり、効果的な局所治療はステロイド外用薬に限られている。 ドイツ、カナダ、デンマークの研究チームは、ヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)阻害薬であるデルゴシチニブ軟膏の慢性手湿疹患者における有効性と安全…

子宮頸がん9価ワクチン承認 定期接種検討、当面は自費

厚生労働省は21日、子宮頸(けい)がんを予防する「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」の9価ワクチンを新たに薬事承認した。ウイルスのさまざまな型のうち9種類を対象にしている。厚労省は今後、接種費用を公費で賄う定期接種化を検討するが、…

アトピーのそう痒、nemolizumab+外用薬で改善/NEJM

アトピー性皮膚炎の治療において、nemolizumabと外用薬の併用は、プラセボと外用薬の併用に比べそう痒が大幅に減少し、湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアや皮膚科学的生活の質指数(DLQI)も良好であるが、注射部位反応の発現率はnemolizumabで高いことが…

経口JAK1阻害薬、中等症~重症ADに有用

中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)に対する、1日1回服用の経口JAK1阻害薬abrocitinibの、第III相プラセボ対照無作為化試験の結果が発表された。米国・ジョージ・ワシントン大学のJonathan I. Silverberg氏らによる報告で、12歳以上の同患者における有効性…

アトピーの「痒み」に対するnemolizumabの有効性、第III相試験で確認/マルホ

そう痒誘発性サイトカインIL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害 マルホ株式会社は7月9日、ネモリズマブについて、アトピー性皮膚炎に伴うそう痒を対象に日本国内で実施した第3相臨床試験(比較試験)の結果が、「The New England Journal of Medicine…

神経線維腫症1型に治験中の薬剤

セルメチニブ、神経線維腫症1型における希少疾病用医薬品に指定 AZ、「SPRINT試験」のP1/2でORRは66%示す MEK1/2阻害剤、小児患者対象のP1/2試験で客観的奏効率66% アストラゼネカ株式会社は6月22日、セルメチニブ硫酸塩(以下、セルメチニブ)が希少遺伝性…

TLR4拮抗剤エリトラン COVID-19の免疫調節療薬として臨床試験開始

エーザイとGlobal Coalition for Adaptive Research(GCAR)は7月1日、米ピッツバーグ大学・メディカルセンター(UPMC)と共同で、中・重度のCOVID-19の治療薬を創出する革新的アダプティブデザインによる臨床試験のサブスタディーとなる「REMAP-COVID」を開…

FDA COVID-19ワクチンの指針を公開 有効性50%超

米国食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルスワクチンの臨床開発や承認に関する指針を公表した。正式承認するには十分な規模の被験者を集め偽薬(プラセボ)を対照に置く比較試験の必要性を指摘し、接種群がプラセボに比べて少なくとも50%以上発症や…

トシリズマブ(アクテムラ®)のCOVID-19への適応、申請は年度内か

中外製薬の奥田修社長は、化学工業日報などの取材に対し、抗体医薬「アクテムラ」の新型コロナウイルス感染症に向けた適応拡大について「年内を目指す考えに変わりはない」と語った。日本では感染者数が減り、一部治験では患者の確保が難しくなっている。そ…

チルドラキズマブ(イルミア®)承認について

厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は2020年5月28日、新規6薬剤を承認しました。 皮膚科ではチルドラキズマブと、アダリムマブのバイオシミラーが関係しています。 ▽イルミア皮下注100mgシリンジ(チルドラキズマブ(遺伝子組換え)、サンファーマ):「…

デルゴシチニブ軟膏(コレクチム軟膏®)の海外前期第2相試験の状況

2020/6/24に発売となったコレクチム軟膏ですが、 2020/7/4現在の海外の治験状況のまとめです。 ・海外臨床試験/円形脱毛症患者:31例を対象にした多施設共同,ランダム化,二重盲検,vehicle 対照試験 ・海外臨床試験/眉の円形脱毛症患者:13例を対象とし…

デュピクセントの3年目までの長期安全性データ

中等症ないし重症アトピー性皮膚炎(AD)の成人患者347例を対象に、長期デュピルマブ治療の安全性と有効性を継続長期投与非盲検試験(LIBERTY AD OLE試験)で検討。LIBERTY AD OLE試験は、以前デュピルマブ試験に登録した成人を追跡し評価する進行中の試験で…

【国内初】新型コロナワクチン治験

製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)は25日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの安全性や効果を調べるため、国内で初めて人に投与する治験を始めると発表した。大阪市立大の審査委員会が計画を承認し、正式に実施が決まった。アンジェスは被…

組み換えBCG利用し新型コロナウイルスワクチン開発着手

BCGワクチン接種国では新型コロナウイルス感染症による死亡率などが低いという報告があることに着目して、新潟大学は組み換えBCG(rBCG)技術を利用した新型コロナウイルスワクチンの開発に乗りだしました。 BCGには高い安全性の実績もあるので、…

コレクチム軟膏®(デルゴシチニブ)が発売 早速使用してみました。

2020年6月24日にJAK阻害薬の外用剤、コレクチム軟膏が発売されたので、さっそく処方してもらいました。 アトピー性皮膚炎に対する新薬としては、1999年のプロトピック軟膏®依頼、実に20年ぶりになります。 薬価は139.7円/gなので、1本5gで約700円、3割負担で…

関節リウマチ治療薬バリシチニブ、新型コロナ第3相試験を欧米で開始

リリー、免疫暴走を抑制し、ウイルスの増殖を抑える効果も期待 米イーライリリーは、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬としてJAK1/2阻害剤「バリシチニブ」の有効性を検証する第3相臨床試験(P3)を開始した。同剤は関節リウマチ治療薬として…