JAK阻害薬とは、サイトカインやホルモンの細胞内シグナル伝達を担っているJAK/STAT系の阻害薬です。JAKは機能や遺伝子の違いから、JAK1、JAK2、JAK3、Tyk2に分けられます。
JAK/STAT系は、幅広い組織のシグナル伝達に関与しているため、JAK多くの疾患でその治療効果が期待されています。
今回は、主なJAK/STAT系阻害薬を簡単にまとめてみました。
<JAK阻害薬>
2020.5.7 現在
[使用可能薬剤]
●国内承認薬(関節リウマチに対して)
バリシチニブ(オルミエント®)
JAK1, JAK2 イーライリリー
ウパダシチニブ(リンヴォック®)
JAK1 (JAK2も) アッヴィ
トファシチニブ(ゼルヤンツ®)
JAK1, JAK3 ファイザー
ペフィシチニブ(スマイラフ®)
JAK1, JAK3 アステラス製薬
●国内承認薬(骨髄線維症, 真正多血症)
ルキソリチニブ(ジャカビ®)
JAK1, JAK2 ノバルティス
外用薬がアトピー性皮膚炎に治験中
●動物に対してのみ使用可能
オクラシチニブ(アポキル®)
JAK1 ゾエティス
犬のアトピー性皮膚炎に適用
●申請中
フィルゴチニブ(GLPG0634)
JAK1 ギリアド 関節リウマチに申請中, クローン病に治験中, 乾癬性関節炎にも治験中で有効
●国内未承認
フェドラチニブ(インレビック®)
JAK2 骨髄線維症治療薬 セルジーン
[治験中]
アブロシチニブ(PF-04965842)
JAK1 ファイザー アトピー・乾癬に治験中
ガンドチニブ(LY-2784544)
JAK2 リリー 骨髄増殖性疾患に治験中
レスタウルチニブ(CEP-701)
JAK2 Cephalon社 急性骨髄性白血病に治験中
モメロチニブ(GS-0387, CYT-387)
JAK1, JAK2 Cytopia→ギリアド→Sierra社 骨髄増殖性疾患に治験中
パクリチニブ(SB1518)
JAK2, FLT3 CTI社, Baxter International
リンパ腫や骨髄増殖性疾患などに治験中
[開発中]
Cucurbitacin I (JSI-124)
JAK/STAT3
CHZ868
JAK2 骨髄増殖性疾患や慢性骨髄単球性白血病に対して開発中
脱毛症に対しては, トファシチニブの内服および外用が開発中
白斑に対しては, ルキソリチニブの外用が開発中
<Tyk阻害薬>
●乾癬に治験中
BMS986165
ブリストルマイヤーズ
PF-06826647
ファイザー
<JAK/SYK阻害薬>
ASN002
Asana BioSciences アトピー性皮膚炎に治験中
セルデュラチニブ(PRT062070)
Portla社 血液悪性腫瘍に治験中
参考:
など.