デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

米FDAが乳幼児のアトピー性皮膚炎にデュピルマブ承認 生後6カ月-5歳の中等症ないし重症ADで初の生物学的製剤

 Sanofi社は6月7日、同社のIL-4/IL-13受容体阻害薬デュピクセント(商品名デュピルマブ)について、外用処方薬で効果不十分または処方が推奨されない生後6カ月から5歳の中等症ないし重症のアトピー性皮膚炎(AD)への適応拡大を承認したと発表した。

 今回の承認は、生後6カ月から5歳のAD患児162例を対象とした第III相無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の結果に基づくもの。試験では、患児をデュピクセント+局所コルチコステロイド(TCS)群とTCS単独(+プラセボ)群に割り付けた。その結果、主要評価項目に定めた16週時点のIGAスコア(0または1)達成率は併用群が28%、プラセボ群が4%、EASI-75達成率はそれぞれ53%、11%だった。副次評価項目に定めたそう痒NRSスコアの改善率(4点以上)はそれぞれ48%、9%だった。

 安全性の面で6歳以上のAD患者との差は見られず、52週にわたる長期の安全性に関してもほぼ同じ結果だった。手足口病と皮膚乳頭腫の発現率はそれぞれ5%、2%だったが、いずれも投与中止に至らなかった。

 同社のシニア・バイス・プレジデントで、免疫・炎症領域のグローバル開発責任者を務めるNaimish Patel氏は「今日まで米国では、乳幼児の中等症から重症ADの治療選択肢がステロイド外用薬しかありませんでしたが、長期的に使用する場合、安全性に大きな懸念がありました。このため、長期的に使用できる薬剤が利用できることが患者や介護者の切実な願いでした」「今回の承認で、乳幼児のAD治療に安全性と有効性が確立されたデュピクセントが選択肢として加わったことは大変意義のあることです」と述べている。

 

www.sanofi.com