デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

新型コロナに抗体カクテル療法が特例承認 NEWS◎抗ウイルス作用を持つ抗体2成分を1製剤にした「ロナプリーブ」

中外製薬は2021年7月19日、国内では同社が開発していた抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ点滴静注セット」について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して厚生労働省から特例承認を取得したと発表した。 同社は本製剤について政府と供…

先天性巨大色素性母斑、皮膚再生臨床試験で皮膚再生と母斑再発なしを確認 京大ほか、研究成果は、「Plastic and Reconstructive Surgery」のオンライン版に掲載

悪性腫瘍発生と整容面の問題から早期の母斑組織完全切除が望ましい 京都大学は7月1日、先天性巨大色素性母斑に対する世界初の皮膚再生治療を実施し、皮膚の再生が可能で、母斑の再発もないことを確認したと発表した。この研究は、同大医学研究科の森本尚樹教…

科研製薬 熱傷焼痂除去剤「KMW-1」を承認申請 深達性II度、III度熱傷の壊死組織を除去

科研製薬は6月28日、熱傷焼痂除去剤「KMW-1」(開発コード)を日本で承認申請したと発表した。入院が必要な重症熱傷を指す深達性II度又はIII度熱傷を対象とした外用薬。熱傷部位に塗布して4時間後に除去することで、健常な組織を温存したまま、焼痂と呼ば…

SJS/TEN発症に関わる新規分子「lipocalin-2」「LL-37」を同定 山梨大ほか、研究成果は、「Science Translational Medicine」に掲載

SJS/TEN患者の血液・皮膚における好中球を観察 山梨大学は7月1日、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)/中毒性表皮壊死症(TEN)の新規発症メカニズムを解明したと発表した。この研究は、同大医学部附属病院皮膚科学講座の木下真直助教、小川陽一講師(…

開発段階のヘルペス治療薬、動物実験で有望な結果 再発リスクが抑えられる可能性も示される

開発段階にある薬剤が、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを引き起こす単純ヘルペスウイルス(HSV)の活動性感染だけでなく、再発リスクも抑える可能性のあることが、動物を用いた研究で示された。研究の詳細は、同薬を開発しているInnovative Molecules GmbH…

急性心筋梗塞の自己注射薬、臨床第3相試験を開始 臨床第3相試験を開始

急性心筋梗塞(AMI)に対する自己注射型のP2Y12阻害薬(selatogrel)の国際共同臨床第3相試験(Selatogrel Outcome Study in suspected Acute Myocardial Infarction: SOS-AMI)が開始される。同薬を開発するスイスのIdorsia社が明らかにした。 大腿部または…

新型コロナ抗体薬bamlanivimab、単剤投与で発症予防効果/JAMA

介護付き有料老人ホームの入居者と職員を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「BLAZE-2試験」において、bamlanivimab単剤療法は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生を低下させることが認められた。米国・ノースカロライナ大学チャペ…

抗PD-1抗体による甲状腺副作用の発症メカニズムをマウスで明らかに 名大、研究成果は、「Science Translational Medicine」に掲載

免疫チェックポイント阻害薬治療によるirAEsの発症機序は不明だった 名古屋大学は5月13日、免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体による甲状腺副作用の発症メカニズムをマウスで明らかにしたと発表した。この研究は、同大医学部附属病院糖尿病・内分泌…

トルツ皮下注に重大副作用を追記 厚生労働省、「間質性肺炎」で

厚生労働省は6月15日、乾癬や脊椎炎に用いる「イキセキズマブ(遺伝子組換え)」(販売名:トルツ皮下注80 mgオートインジェクター、同注80 mgシリンジ)の使用上の注意に対し、重大な副作用の項に「間質性肺炎」の追記を求める改訂指示を出した。国内症例の…

米FDAが進行全身性肥満細胞症にavapritinib承認 稀な血液疾患に分子標的薬

米国食品医薬品局(FDA)は6月16日、侵襲的全身性肥満細胞症(ASM)、関連する血液腫瘍を伴う全身性肥満細胞症(SM-AHN)、マスト細胞性白血病(MCL)を含む成人の進行全身性肥満細胞症(AdvSM)に、キナーゼ阻害薬avapritinib(商品名Ayvakit、Blueprint Me…

米FDAが熱傷治療に再生皮膚組織StrataGraft承認 深達性部分層熱傷が適応

米国食品医薬品局(FDA)は6月15日、外科的治療が適応となる成人の深達性部分層熱傷の治療に再生皮膚組織「StrataGraft」(Mallinckrodt社)を承認した。 StrataGraftは、2種類のヒト皮膚細胞(ケラチノサイト細胞と真皮線維芽細胞)を共培養して作製した2層…

ドボベットフォーム発売開始 2021年6月18日

ドボベットフォームが本日発売開始となりました。 dovobet.jp 関連記事: dermania.hatenablog.com // リンク

出生前パラベン曝露で超早期発症アトピー性皮膚炎リスク上昇

ドイツの母子研究LINAに参加した母子261組を対象に、出生前パラベン曝露が小児アトピー性皮膚炎(AD)発症リスクに及ぼす影響を検討。在胎34週時に採取した母体尿中のパラベン8種を定量化し、親の報告による1-8歳のAD診断、疾患発症および持続性に基づき、小…

9価HPVワクチン、6つの疑問に答えます

2020年7月に、承認審査から5年もの歳月を経て承認された9価HPVワクチン。わが国においても子宮頸癌の原因の90%以上をカバーできると期待されているが、現時点では定期接種となっておらず、自費での接種となる。では、現時点で9価ワクチンについて患者に質問…

リツキシマブ投与で中和抗体陽性率6割低下 リウマチ性疾患に対するコロナワクチンの免疫原性

一部の免疫抑制薬が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの免疫原性を減弱させることが報告されている。イスラエル・Tel Aviv Sourasky Medical CenterのVictoria Furer氏らは、一般集団と比較した自己免疫性炎症性リウマチ性疾患(AIIRD)患者における…

抗TNFα製剤でコロナワクチンの効果減弱

抗腫瘍壊死因子(TNFα)抗体製剤インフリキシマブを使用中の炎症性腸疾患(IBD)患者では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの初回接種後の抗体反応が減弱していたとする大規模研究の結果が明らかになった。英・Royal Devon and Exeter NHS Foundat…

黒色腫でペムブロリズマブ+イピリムマブが抗腫瘍活性示す

抗プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)/リガンド1(L1)抗体単独または他剤との併用による免疫療法失敗後の進行性黒色腫の患者70例を対象に、低用量のイピリムマブとペムブロリズマブ併用の効果を前向き臨床試験で評価。35例が主要評価項目に規定した免疫反…

「リンヴォック」使用上の注意を学会周知 「既存治療で効果不十分な関節症性乾癬」の適応追加に伴い

日本皮膚科学会はこのほど、同学会乾癬分子標的薬安全性検討委員会作成の「ウパダシチニブ(販売名:リンヴォック)の使用上の注意」をホームページで周知した。「既存治療で効果不十分な関節症性乾癬」の適応追加が2021年5月に承認されたことを受けてのもの…

アトピー検査キットをコロナ重症化判定に適応追加/塩野義

塩野義製薬は6月7日、アトピー性皮膚炎の重症度を診断する検査キット「HISCL TARC試薬」について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性患者の重症化予測の補助を使用目的とする適応追加の承認を同日付で取得したと発表した。COVID-19の発症初期から重症化…

日本人のアトピー性皮膚炎、新たな遺伝的因子を複数同定 理研ほか、研究成果は、「Journal of Allergy and Clinical Immunology」に掲載

アトピー性皮膚炎は、アジア人の病態に関わるSNPが未同定だった 理化学研究所(理研)は6月9日、日本人のアトピー性皮膚炎を対象にした大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、アトピー性皮膚炎の病態に関わる新しい遺伝因子を特定したと発表した。こ…

妊娠中の局所ステロイド使用、胎児への影響は?

妊娠中の局所コルチコステロイド使用は安全なのか。デンマーク国立血清研究所(Statens Serum Institut:SSI)のNiklas Worm Andersson氏らによる大規模コホート研究の結果、在胎不当過小児(SGA)や低出生体重児のリスク増大とは関連しないことが示された。…

アトピーのバリシチニブ、延長試験で長期投与の有効性確認

中等症ないし重症アトピー性皮膚炎の成人患者に用いるバリシチニブ長期投与の有効性を52週間二重盲検延長試験で検討(BREEZE-AD3試験)。BREEZE-AD1試験、BREEZE-AD2試験で16週間時に奏効または部分奏効[治験担当医師によるアトピー性皮膚炎の全般的重症度…

コロナワクチン後の抗体価、上がりやすい因子と上がりにくい因子/千葉大

千葉大学病院は6月3日、ファイザー社の新型コロナワクチンを2回接種した同病院の職員1,774人の抗体価を調べたところ、ほぼ全員で抗体価の上昇が見られ、同ワクチンの有効性が確認されたと発表した。千葉大によると、ワクチンへの抗体反応を調べる研究として…

ビメキズマブ、中等~重度尋常性乾癬対象P3試験結果を発表 UCB、BE RADIANTおよびBE SUREの結果を発表

ビメキズマブ、中等~重度尋常性乾癬対象P3試験結果を発表UCB、BE RADIANTおよびBE SUREの結果を発表 IL-17A・IL-17F阻害剤、日本でも承認申請中 UCB SAは4月23日、治験中のIL-17A・IL-17F阻害剤ビメキズマブについて、中等度~重度尋常性乾癬患者対象に有効…

アトピー皮膚炎のウパダシチニブ単剤療法、P3で有効性確認 LANCET

中等症ないし重症アトピー性皮膚炎の青年と成人患者に用いるウパダシチニブ単剤1日1回投与)の効果を第III相無作為化二重盲検試験2件で検討[Measure Up 1試験(847例)、Measure Up 2試験(836例)]。16週時の湿疹面積・重症度指数75%以上改善(EASI-75)…

ゼビアックスクリーム発売について

ゼビアックスクリームが2021年6月18日に発売になります。 剤形が増えるのは良いことですね。 // リンク

免疫チェックポイント阻害薬の長期的な副作用が明らかに Cancer Currents――米国立がん研究所(NCI)

免疫チェックポイント阻害薬は多くのがん腫に使用される免疫療法の一種で、この薬剤によって長期的寛解を得る患者もいる。一連の薬剤の短期的な副作用はよく知られているが、長期的または慢性の副作用の可能性はあまり知られていない。新たな研究によれば、…

がん患者はワクチン接種後の抗体価が低い

固形がん患者における新型コロナワクチン接種後の抗体価/Annals of Oncology 固形がんで治療中の場合、健常人と比べてコロナワクチンで得られる抗体濃度が低めである可能性が報告されました。 https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(21)0118…

新型コロナウイルス陽性者の多くに発疹  英研究

発疹は鼻咽頭スワブ検査による新型コロナウイルス陽性判定と関連し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でよく見られる症状であるとする研究報告が、「British Journal of Dermatology」に1月14日掲載された。 英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のAl…

新型コロナ既感染者、1年後の抗体保有状況は?/横浜市立大

横浜市立大学の山中 竹春氏(学術院医学群 臨床統計学)率いる研究グループは、「新型コロナウイルス感染12ヵ月後における従来株および変異株に対する抗ウイルス抗体および中和抗体の保有率に関する調査」の記者会見を5月20日に開催。回復者のほとんどが6ヵ…