デルマニアのブログ

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とある皮膚科医のブログです。

アルツハイマー病の薬が抜毛症と皮膚むしり症の症状を軽減か

アルツハイマー型認知症の治療薬として長年にわたり使用されているメマンチンが、抜毛症や皮膚むしり症の症状の軽減に役立つ可能性が、米シカゴ大学精神科学・行動神経科学教授のJon Grant氏らが実施した臨床試験で示された。同試験では、メマンチンが投与さ…

GLP-1受容体薬ウゴービ、肥満症で承認

ノボ ノルディスクファーマは本日(3月27日)、GLP-1受容体作動薬セマグルチド(商品名ウゴービ皮下注)が肥満症を適応として製造販売承認を取得したと発表した。 週1回の投与で空腹感を軽減、満腹感を高めることにより、体重減少を促す(関連記事:「解説・…

幹線道路の近くに住むとアトピー性皮膚炎のリスクが上昇か

幹線道路からどの程度離れた場所に住んでいるかがアトピー性皮膚炎のリスクに関係することが、米ナショナル・ジューイッシュ・ヘルスのMichael Nevid氏らの研究で示唆された。住んでいる場所が幹線道路から遠く離れている人では、アトピー性皮膚炎を発症する…

GIP・GLP-1受容体の同時刺激、なぜ矛盾しない?

グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の2つの受容体に作用する初の薬剤で、2022年9月に承認されたGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名マンジャロ)。GLP-1受容体作動薬の“進化形”として関心を集め…

治療標的としてのTYK2は有効? 中国・メンデルランダム化解析とシステマチックレビュー

中国・Zhejiang University School of MedicineのShuai Yuan氏らは、治療標的としてのチロシンキナーゼ(TYK)2の有用性をメンデルランダム化(MR)解析や臨床試験のシステマチックレビューで探索、その成果をEBioMedicine(2023; 89: 104488)に報告した。 …

コロナ罹患2年後も39%に間質性肺異常陰影

2020年1月15日-3月10日の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院からの退院患者144例(年齢中央値60歳、男性79例)を対象に、胸部CT異常所見および肺機能の縦断的変化を前向き試験で検討。症状発症から6カ月後、12カ月後および2年後に検査を実施し…

虚血性脳卒中の治療を受けたCOVID-19患者は頭蓋内出血率が高い ポルトガルの研究

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した急性虚血性脳卒中患者は、血行再建治療後に頭蓋内出血を合併する率の高いことが、「Neurology」に11月9日報告された。 エガス・モニス病院(ポルトガル)のJoão Pedro Marto氏らは、2020年3月から2021年6月の…

黒色腫、術前+術後のペムブロリズマブで転帰改善

切除可能な病期III-IV期の悪性黒色腫患者を対象に、ペムブロリズマブの術前および術後投与と術後投与単独の無事象生存に対する効果を第II相試験で比較。主要評価項目は、ITT集団での無事象生存とした。 その結果、追跡期間中央値14.7カ月時点で、術前・術後…

アトピー性皮膚炎および湿疹の発症と、「生後6か月を過ごした季節」に関連 富山大ほか、研究成果は「BMC Pediatrics」に掲載

生後1歳までのアトピー性皮膚炎と湿疹について検討 富山大学は3月2日、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の参加者を対象に、生まれた季節と乳児期に発症する湿疹およびアトピー性皮膚炎の関連を調査し、春生まれと比較して、「秋生ま…

疾患活動性SLE、バリシチニブ4mgのSRI-4達成率良好 Lancet

18歳以上の疾患活動性のある全身性エリテマトーデス(SLE)患者760例を対象に、バリシチニブの有効性および安全性を第III相無作為化プラセボ対照試験で検討(SLE-BRAVE-I試験)。主要評価項目は、プラセボ群と比較したバリシチニブ4mg群の52週時点のSLE Resp…

久光製薬の原発性手掌多汗症治療薬・アポハイドローションなど8製品承認へ 薬食審・第一部会で了承

厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は3月3日、久光製薬の原発性手掌(しゅしょう)多汗症治療薬・アポハイドローションや、Swedish Orphan Biovitrum Japan(以下「Sobi」)の発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬・エムパベリ皮下注など8製品の承認の可否…

トラネキサム酸の肝斑への効果

RCTなどはなく、エビデンスは乏しいですが、以下のような論文があります。 トランサミン8-12週投与前後で、MASI(Melasma Area and Severity Index)が有意に減少 SMD -1.78(95%CI -2.08 to -1.49)。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov (function(b,c,f,g,a,d,e){b.Mosh…

デュピルマブ、紅皮症性アトピー性皮膚炎にも有効

紅皮症性アトピー性皮膚炎(AD)は、広範な皮膚病変によって定義され、合併症を引き起こし、場合によっては入院に至る重症ADである。米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らは、デュピルマブの有効性と安全性を検討した6つの無作為化比較試験の事後…

アトピー性皮膚炎にlebrikizumab+外用ステロイドが有効

中等症ないし重症のアトピー性皮膚炎(AD)の思春期児および成人患者211例を対象に、抗IL-13抗体lebrikizumab(LEB)とステロイド外用薬(TCS)併用の有効性および安全性を16週間の無作為化二重盲検プラセボ(PBO)対照多施設共同第III相臨床試験で検討(Adh…

減量で大事なのは食事を取るタイミングではなく頻度と量

減量をする上で最も重要なのは、いつ食べるかではなく、食べる頻度と量であることが、約550人の成人の食生活を6カ月にわたって調査した新たな研究から明らかになった。米ジョンズ・ホプキンス大学医学部のWendy Bennett氏らによるこの研究は、「Journal of t…

中等症~重症の化膿性汗腺炎、セクキヌマブ2週に1回投与が有効/Lancet

中等症~重症の化膿性汗腺炎患者において、セクキヌマブの2週ごとの投与は安全性プロファイルが良好で、化膿性汗腺炎を速やかに改善し、投与52週後まで有効性が維持されることが示された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのAlexa B. Kimba…

デュピルマブはアレルギー性鼻炎の症状改善に有効か

本論文に着目した理由 鼻科領域の慢性炎症性疾患の代表として、アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎が挙げられる。アレルギー性鼻炎はIgE抗体産生に基づくI型アレルギー疾患であり、抗IgE抗体薬であるオマリズマブが、既存治療でもコントロールができない季節性…

アトピー性皮膚炎、抗IL-13抗体薬のステロイドへの上乗せは有用か?

中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)の青少年・成人患者において、インターロイキン13(IL-13)をターゲットとする高親和性モノクローナル抗体lebrikizumab(LEB)と局所コルチコステロイド(TCS)の併用は、TCS単独と比べてアウトカムの改善が認められた。…

がん光免疫療法、症例数が伸び悩む一方で光明も

臨床応用が始まる前から、「次世代のがん治療」として米国のバラク・オバマ大統領(当時)が一般教書演説で取り上げるなど、大きな期待を集めてきたがん光免疫療法(近赤外線免疫療法、アルミノックス治療とも)。2020年9月に世界に先駆けて日本で薬事承認を…

コロナワクチンと帯状疱疹に関連見られず

米国で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種者203万9854例を対象に、COVID-19ワクチン接種による帯状疱疹感染リスクを自己対照リスク期間(self-controlled risk interval:SCRI)デザインのコホート研究で評価。ワクチン接種後30日または最…

日本初・ヒト由来の難治性潰瘍治療材料 エピフィックス の承認発売

1. エピフィックス 販売代理店決定と販売開始のお知らせ 糖尿病性足潰瘍(DFU)、ならびに、慢性静脈不全(VLU)による難治性潰瘍を対象とした注)ヒト由来の羊膜使用組織治癒促進用材料 「エピフィックス」を、2023年2月から、グンゼメディカル株式会社(グンゼ…

北米中心に広がるXBB.1.5、「中和抗体、ほぼ効果発揮せず」

日本での置き換わりは?感染研・鈴木氏は慎重な見解 新型コロナウイルス感染症への対応が始まってから、丸3年が経過した。新型コロナワクチンの接種や経口治療薬の開発が進んだ今も、予断を許さない状況が続いている。日本国内においてはオミクロン株の亜系…

遺伝性血管性浮腫、長期予防薬でQOL改善へ 急性期の重症化予防から長期の発作抑制に転換

遺伝性血管性浮腫(HAE)は頭部(まぶた、眼の周囲、唇など)、手足、腹部などに突発的な浮腫の発作(血管性浮腫)が繰り返し起きる、5万人に1人の頻度で生じるまれな疾患である。発作は1~2日をピークとして1週間ほどで消失するが、喉頭や気管の発作で…

2歳までのアトピー性皮膚炎は幼児期の神経発達障害リスクと関連

この論文に着目した理由 これまで小児および成人において、うつ病、不安、注意欠陥・多動症(ADHD)などの精神疾患とアトピー性皮膚炎(AD)との関連が報告されています。今回紹介する論文は、韓国の国民健康保険サービス(National Health Insurance Servic…

皮膚癌、ポストICIの治療薬も続々

薬物療法の大きな進歩、ICIとBRAF/MEK阻害薬:主要試験を辿る CheckMate 067試験 8) 治療歴のない進行期メラノーマ945例を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法とニボルマブをそれぞれイピリムマブと比較する第III相ランダム化比較試験(RCT)が行われ…

ペリオスチン阻害剤、アトピー性皮膚炎モデルマウスの炎症と痒みを軽減

富山大ほか、研究成果は、「PLOS ONE」にオンライン掲載 アトピー性皮膚炎の強い痒みに対する原因は未解決、治療薬が望まれる 富山大学は1月10日、アトピー性皮膚炎モデルマウス(FADS マウス)を用いて、ペリオスチンが知覚神経に作用して痒みを引き起こし…

毛髪を生み出すオルガノイド作成に成功――白髪や脱毛症の治療に期待 マウスで生え変わりが1年続くことを確認

生体外でも毛髪を生み出せる毛包オルガノイド(ミニ臓器)の作成に成功したとする論文が、「Science Advances」に10月21日掲載された。「ヘアフォリクロイド」と名付けられたこの毛包オルガノイドをマウスに移植すると、毛包が生着して毛髪が生え変わること…

生後1歳まで保湿剤を毎日塗布してもアトピー性皮膚炎予防に効果なし

はじめに 生後間もなく開始した保湿剤による皮膚バリア強化の効果は? 今回紹介するのは、アトピー性皮膚炎(AD)および湿疹に対する保湿剤の予防効果を検討した論文です。生後1年間にわたって保湿剤を毎日使用することが、5歳までのADとその他のアレルギー…

アトピーのルキソリチニブクリーム頓用が有益

アトピー性皮膚炎に対するルキソリチニブ(RUX)クリームの安全性と有効性を示した二重盲検第III相試験2件(NCT03745638およびNCT03745651)のデータを用いて、RUXクリーム頓用の長期安全性と効果を評価。参加者をRUXクリーム0.75%、1.5%、基剤に割り付け…

セマグルチドは青少年の肥満治療にも有効か?

GLP-1受容体作動薬のセマグルチドは、2型糖尿病治療薬として開発されたが、肥満を伴う成人の糖尿病患者では、減量効果ももたらすことが報告されている。未成年の肥満患者にも同様に有効かを調べるために行われたのがこの研究だ。 対象は12歳以上18歳未満の過…